ブッダの教えは超クール

マニラ首都圏のコミュニティ隔離措置は年末まで続けるという見方が有力ですが、生活や経済の緩和は少しは進むと見られている10月も3分の2が経過したフィリピンです。

マニラからの来訪者に対しての72時間以内のコロナ陰性証明(信頼のできる証明書は発行できないのは、良識ある医療科学関係者の中からは以前から指摘されています)の携帯義務が解除されない限り、アニラオのリゾート再開はペンディングとしたい気持ちに変わりはないのですが、11月か12月には再開したいというほのかな期待をスタッフに持たせるように、今週のレポートは、このロックダウン7ヶ月で身につけた、新しい知識や習慣を振り返ってまとめてもらうことにしました。

で、ただお題を出しても良き答えがが帰ってこないのは学習済みなので、参考解答として、自分の7ヶ月の学びを振り返ってリストアップして提示する作業に時間を割いたのですが、振り返ってみて読んだ本の中で一番良かったと再認識したのが、こちらでした。

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草薙龍瞬著『反応しない練習』。kindle unlimitedの本棚に並んでいたので、無料で読んだも同然ですが、私にとっては買ってでも読むべき内容でした(読書メモはブログ末に載せておきます)。

近い時期に読んだ、アドラーの心理学や、NPL、『サピエンス全史』のユヴァル・ノア・ハラリ氏絶賛のヴィパッサナー瞑想などを包括して説明してくれた書です。信仰的には一応クリスチャンということになっている私ですが、ブッダの教え、やはり良いです。

本にしろ、何にしろ、忘れっぽいので、良いことはたまに見返し復習して意識に定着させる作業はたまにしたほうが良いなと思った、課題を出す方にとっても良い週間レポートでした。

スタッフからの解答には、「7ヶ月間でたったそれだけ?」という予想通りの貧しい学び(もっとあったはずなんですが、振り返り力と文章化力に乏しいのでしょう)のものもあれば、いくつも変化をリストアップすることのできた、こんな後ろ向きなご時世だけれど、ポジティブな変化もあったと気づいてくれたらいいなというこちらの意図を汲んでくれたかのようなものもありました。営業再開後の彼らのパフォーマンスに少しだけ期待しています。

マニラの生活の方は、本日の奥さんプロジェクトは、ベランダの緑のさらなるレイアウト替え。だんだんラッパ吹くスペースが小さくなってきています。わたしゃ、ドリルで壁に穴開けただけ。

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本日の担当一品は、プランターでとれたツルムラサキをむしって。

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おひたし。

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奥さんの作る料理(本日は初挑戦のれんこん餃子でした。お父さんの家におすそ分けもっていったら、お父さんも餃子。親子で考えることは一緒ってことですね)よりも私の仕業がシンプルかつ単純ものなのは、いつもどおりです。

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8月からスタートの、アニラオ生物図鑑リニューアル企画。

本日は、シマヒメヤマノカミ。キリンミノとの積極的な違いってなんでしたっけね?しばらくウェブ検索で復習しました。写真提供TAKUさん。ありがとうございます。

シマヒメヤマノカミ:海のモノなのに山の神とはこれいかに。

シマヒメヤマノカミ:海のモノなのに山の神とはこれいかに。

お気に入りの水中写真で作るアニラオ図鑑:初めて見て感動した、思いの外綺麗に撮れた、思い出のあの人と潜ったときに見たなぁ、我がライティングを見よ!、きっと誰にも見向きもされないだろうから私が図鑑に載せてやる、など、皆さんの思いの宿った水中写真でホームページのアニラオ図鑑をリニューアルします。

図鑑のようにヒレ全開横向きではっきり写っているものでももちろん良いのですが、優先は皆さん一人ひとりの思い入れです。

·写真(縦でも横でも。長辺640ピクセル)
·生き物の名前(わからなければこちらで調べます)
·思い(書かなくても可。写真から感じ取ります)
·ニックネーム(写真にコピーライトで入れます) をメールでお送りください

奮ってのご参加、お待ちしております。皆さんの思いに触れさせて、元気にさせてください。

おまけ 『反応しない練習』読書メモ

結論的に
·ブッダが教えるのは
 「正しい生き方:ダンマ」を心の土台にすえる。
  1)反応せずに正しく理解する。:正見
  2)三毒などの悪い反応を浄化する:清浄行
  3)慈悲喜捨の心で向き合う
  心を見る(理解する)こと、反応に気づくこと、そして、正しい4つの動機に立つこと。

・もともと、ブッダの教えとは、「心の無駄な反応を止めることで、一切の悩み·苦しみを抜ける方法」のこと。その内容は、大きく2つ。
1)心の反応を見ること、
 座禅、ヴィパッサナー

2)合理的に考えること。
 目的がかなうよう、筋を通して考える。

·1)悩みがある。→2)悩みには理由がある。→3)悩みには解決策がある。ブッダの合理的な考え方。

·執着以前に、悩みを作り出しているもの。それが心の反応。
·ブッダが発見した、「求める心」=Tanha(タンハー)。「反応し続ける心のエネルギー」といってもよい。発生後7つに分かれる。
1)生存欲
2)睡眠欲
3)食欲
4)性欲
5)怠惰欲(楽したい)
6)感楽欲(音やビジュアルなど感覚の快楽を味わいたい)
7)承認欲(認められたい)
この欲によって、反応し、ときに喜び、ときに不満が生まれる。このサイクルの繰り返しが人生。

·言葉で確認することを、仏教の世界では「ラベリング」と呼ぶことがある。心の状態に名前つけて、客観的に理解してしまう。

·これらの2つの方法、1)言葉で確認する、2)感覚を意識する、はブッダが生きていた時代には「サティ」 (Sati)と呼ばれた。

·頭の中を分類する。「言葉で理解する」のと似ているが、大雑把に観念的に。三毒(貪·瞋·癡:とん·じん·ち)。1)貪欲(とんよく、過剰な欲求に駆られている状態。求めすぎている。)、2)怒り(不満、不快を感じている)、3)妄想。

·ここまでブッダの考え方をまとめると、「反応する前に、まず理解する」ということになる。
 悩みの原因は心の反応。
 心の反応の背景には、求める心や七つの欲求タンハー(特に承認欲)がある。
 心の状態をよく理解するには、1)言葉で確認する、2)感覚を意識する、3)貪欲·怒り·妄想の3つに分類する。
 こうした理解によって、苦しみを作り出している無駄な反応を解消していく。

 宗教というより、ブッダが生きていた頃の心を理解するためのツールだった。

 「正しい理解」に「反応」はない。ただ見ているだけ。動揺しない。何も考えない。じっと見つめているだけ。そういう徹底したクリアな心で、自分を、相手を、世界を理解することを、「正しい理解」と表現している。

 判断。自分は偉い、正しい、優れている(はずだ)。仏教では慢とよぶ。
  →「私が言葉を語るのは、相手に有益となる場合である。真実であり、相手に利益をもたらす言葉であれば、ときに相手が好まない言葉であっても語るべきときに語る。それは相手への哀れみ(慈悲)ゆえである。」

·脱 慢(自分は正しい?)には
 1)「あ、判断した」という気づき
 2)自分は自分と考える。人が判断していても。
 3) 慢だったなぁと素直に認める。

·脱自己否定のエクササイズ
 1)一歩一歩と外を歩く感覚に意識を向ける
 2)広い世界を見渡す
 3)「私は私を肯定する」と自分に語りかける。

·仏教によれば、感情をめぐる悩みは、2つに分けて考える。おうおうにしてごっちゃになっている。
 1)不快な感情が生まれるのを防ぐ。湧いてしまった感情は、早めにリセットする。
   相手の反応は相手にゆだねる。
    「心の半分を前に、もう半分を後ろに使う」相手を観、ただ理解し、自分の心の動きも観る。
 2)相手とどう関わるかを考える。
   関わり方の原理原則
1)相手のことを判断しない
2)過去は忘れる:記憶を相手にしない。
3)相手を新しい人と考える
4)理解し合うことを目的とする
5)関わりのゴールを見る
苦しめ合うために関わっているのではない。理解し合うために、お互いの幸せのために関わっているのだ。

·自分の物事に集中する
 1)目を閉じる
 2)心の状態を観る。無駄な反応のリセット。
 3)目を開いて、目の前の作業に一心に取り組む。「はじめます!(禅では决定:けつじょう)」
 八正道の3つ、
 「正念」:サティ、感覚を意識する、言葉で確認する
 「正定」:一点集中
 「正精進」気づきと集中を継続

·ブッダが教える、人生の大きな心構え(動機) 世間では4つをまとめて「愛」と呼んでいる。
 慈:相手の幸せを願う心。
 悲:相手の苦しみ·悲しみをそのまま理解すること。
 喜:相手の喜び·楽しさをそのまま理解すること。
 捨:手放す心、捨て置く心、反応しない心。

·ブッダが教えるのは、心を見る(理解する)こと、反応に気づくこと、そして、正しい4つの動機に立つこと。

·究極のところ、人間の動機は「貢献」。どんな人も、「お役に立てればよし」なのだ。
  アドラー?

·仏教では、人間が目指すべき正しい生き方のことを、「ダンマ」と呼ぶ。法、真理、真実とも表現される。「私は、ダンマに基づいて生きてまいります。ダンマン サラナム ガッチャーミ:Dhammam saranam gacchami」
 自らの心の土台に、「正しい生き方をすえます」という、自らへの約束·誓い。

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