週末を迎えるアニラオの夜も更けてから、お泊りのゲストさんが「チクチクして眠れない」とのお悩み。
まさかとは思いましたが減圧症が疑われますので、再圧チャンバーのある施設へ連絡。深夜でしたが看護師さんにつながることができて、明日朝6時にドクターが会えるというので、それに向けてルートの確認。
その間、ゲストさんには酸素を吸い始めてもらいました。すこし背伸びして頑張った昨日の初日4ダイブ、特に急浮上などはなかったのですが、ダイブコンピュータを見せていただいて、ダイビングのプロファイルを書き出して、先に病院へ送付。
カーナビ上は2時間強で着きますが、日中だとアニラオからケソンシティまでは4時間コースです。ドクターが来たらすぐに見てもらいたいので、約束の時間の3時間前、午前3時出発にしました。Advanced Hyperbaric Center、2016年にお試しでいったことのある場所です。
5時20分過ぎに到着。11時からずっと酸素を吸っていたのが良かったのか、身体のチクチク感はこの時点でなくなっていましたが、ちゃんと潜水医療に長じたお医者さんに見てもらうのは大切です。お金の問題ではありません。
診察をうけて、神経に異常はきたしてはいないものの、ダイビング直後に戻したことと、後に身体に現れたチクチク感を考慮してチャンバー治療開始。テーブル6、5時間コースです。60フィートまで加圧。
途中、お腹がすくでしょうから、朝早くから来てくれた医療スタッフの分も一緒にジョリビーで調達。チャンバーのドアの横には食べ物受け渡し用の加圧ポケットがあったようです。これまで何度か目にしているチャンバーですが、この存在には初めて気づきました。
日本人だからか、チャンバー内のテレビ、日本のアニメにしてくれました。千と千尋の神隠し→ハウルの動く城→となりのトトロの途中で5時間経過。チャンバーの小さな窓の向こうのトトロって、シュールでした。
治療を受けられている間、ドクターと話したのと、患者さんから得た情報から類推すると、「身体の水分不足」が主たる原因だったのではないかということでした。他に、リスクとして他に今回の事例にあたるのは、
- ダイビング後のホットシャワー
- 日本からの移動の翌日で疲れ気味
- 高齢ダイバー
などがありましたが、普段から水は控えめとのことでしたので、「ダイビングのときは普段以上に水を飲む」というのはどなたにも実施してもらいものです。おしっこいきたくなったら、すればいいだけですので。簡単にできる効果的な予防策はぜひ取り入れていきたいところです。
症状も消えて、ドクターのお墨付きをもらって、治療終了。本来は、30日後にもう一度受診とのことでした。チャンバー治療後ドクターの提示した、避けるべきことは、
- 潜水(もちろん!)
- カフェイン摂取
- アルコール摂取
- 山(例はタガイタイ)などへの移動
- 飛行機搭乗
- 10階以上の高層階への立ち入り
でした。
推奨事項で、水を一日2リットル飲むこと。
治療費7万ペソ。めったにかかるものではない減圧症ですが、保険に入っておくことはおすすめします。
今回担当してくれたのは、アメリカとイギリスで潜水医学を修めてきたArnel Bertolome先生。ありがとうございました。
不在にしていたアニラオの方は、スタッフと奥さんが切り盛りしてくれました。
体験ダイバーズ。次回オープンウォータートレーニング受けられそうです。
ほぼほぼ光学迷彩な、卵を抱えたシャコ。写真提供あらださん。ありがとうございました。
高貴な紫の、ガンガゼエビさん。写真提供まるすさん。ありがとうございます。
ランチの肉味噌そば、美味しそう。
急遽電話で予約したマニラのホテルに患者さんを送り届けてチェックアウトをお手伝いした後、出張組の遅めの昼食は、ドライブインのペッパーランチ。今朝早くから老ドライバーさんよく頑張ってくれました。人生初のペッパーランチだそうです。これからの人生も、いろいろ新しいものや味に挑戦してもらいたいものです。
夕食前にアニラオに到着。夕日を浴びて、バーベキュー、おいしくなーれ。
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