【台風シーズン必見】フィリピンでダイビングを考える際、天気予報のかわりに参照すべきアプリとサイト

フィリピンの天気予報をご覧になって、雷雨だからとキャンセルされたゲストのいらした週末を迎えました。当日になっても、アニラオのあるMabini町の天気の予測は、以下の通り。

あちこちに雷雲があって、午後には雷雨、その後も雷雲に覆われ続けていることになっています。

けれど、現実はこちら。

一日ほぼ晴れです。

「フィリピンの天気予報は当たらないから、見る価値がない」とフィリピンに住んで20年間ずっとそう思っていて、最近の天気予測システムは一味違ってくるのかもと、この機会に毎日予報と実際を照らし合わせてみましたが、やっぱり同じでした。

フィリピンの天気予報は見る価値なし。大体雷雨など、悪い方向で予報しておけば、現実はそれよりはマシになるので、人が怒らないというスタンスなのかもしれませんが、天気を気にするのは、世界的には日本人が平均以上に気にしているだけで、一般的なフィリピン人は天気予報に興味がありません。人のニーズもないので、予測する側も当てずっぽうでよいというのは、今後も変わらないでしょう。

とはいっても、ダイビングにいく先の海のコンディションは気になるもの。ダイビングのプロである私達や、マニラダイバーでも上級ダイバーの方々が参照しているサイト・アプリを紹介したいと思います。

ダイビングで第一に気にすべきは風とうねり、つまりは台風の位置

これから紹介するサイトで、現場のプロが何を気にしているのかというと、おもに風と台風の進路です。雨はどうなの?という疑問もあると思いますが、どうせ潜れば濡れてしまうダイビングに関しては、雨は実際はそれほど問題になりません

ものすごい豪雨で、アニラオの道路が寸断される場合は、雨も脅威の対象になるのですが、それは台風のときにしか起こりませんので、台風に気を配っていれば、それでカバーできます。

雷雨については、これまで約50年くらいのアニラオ全体のダイビングの歴史の中で、落雷の事故がなかったわけではありませんが、10件無い程度(私が知る20年では2件)。かつ、雷を伴う雨は1日中降り続くわけではなく、多くは1時間以内に遠ざかります。現場で落雷の危険ありと判断できる場合は、海上にさえ出ていなければ問題ありませんので、雷をやり過ごすのは容易です。

風のリスクには以下の2つがあります。

  • 強風警報(Gale Warning)がレベル1でも(最強は4)出てしまうとそもそもボートの出港が禁止になること。更に強い警報が出ると、ビーチエントリーも禁止になること。
  • リゾートの多く集まるアニラオ西側の風が強い場合、ボートがリゾート前につけられず、半島の東側まで車で移動してボートに乗るなど、ダイビング開始の時間が少し遅くなること。ショップによっては移動につかったジープニーのチャーター料金を追加で負担する必要があります(しかも、結構高い)。弊社マグダレナは自社トラックをつかって輸送を行いますので、追加料金はありません。

強風警報と西風が強くなるのには、台風が影響をしています。ですので、アニラオを訪問するのにあたって、最初に注意を払うべきは、台風の位置になります。

台風は時計と反対まわりの風を生みますので、アニラオの南東から東にあるときは影響が少なく、北東から北に抜けた場合、もしくは、西に抜けてユーラシア大陸に向かうときにアニラオの西側は風が強くなって、ボートの発着ができない状態になります。

南シナ海を西進しているときも、アニラオ自体には風が吹いていなくても、海上でつくられた大きなうねりが西岸に寄せて、ボートの乗船が不可になることがあります。うねりが収まる大体の目安は台風通過後2から3日です。

軽い確認は日本の気象庁の天気図(アジア太平洋域)

毎週末前に参照しているのは、気象庁の天気図です。フィリピン近郊に台風や熱帯低気圧があるか一目でわかります。カラーとモノクロがありますが、私はカラー版が好きです。

熱帯低気圧が天気図上にあったら、進路をみるのも、日本の気象庁の台風予測

天気図に渦巻き状の等高線が認められたら、それが台風か、台風化する前の熱帯低気圧です。その時参考になるのが、日本気象庁の台風情報。現在から数日後までの中心気圧や風力、進路がわかります。

台風の遠距離進路予測には、アメリカ海軍のサイトがオススメ

日本の気象庁はとても優秀だと思いますが、フィリピン近辺にくる台風については、Official U.S. Navy WebsiteNaval Meteorology and Oceanography Commandの進路精度がより高いように思います。太平上場で発達しつつフィリピンに上陸しそうな大きな台風については、こちらのサイトも参考にしています。一点の注意は、アメリカ時間で表示されているので、フィリピン時間への変更が必要な点です。

具体的には、表示されている時間から12時間引く必要があります。日本だと13時間なので、12時間のフィリピンの方が計算しやすいですね(^o^)。

風の予測はWindy

実際にアニラオ界隈でどのくらい風が吹くのかを知るのに、とても役立っているのが、Windyです。

アプリ版もあります。スマホでも確認できるのは便利ですので、私のiPhoneちゃんには入っています。

目安としては、アニラオ半島西側の風が青なら問題なし。緑でボートがつけられない可能性が50%、黄色で絶対つけられない。赤だと強風警報発令レベルです。週末西側が黄色でしたら、延期が容易なマニラダイバーさんには旅程の延期をオススメします。

フィリピンの強風警報はPAGASAが発令

台風が接近してきているとき、参照にするのがフィリピン大気地球物理天文局(Philippine Atmospheric, Geophysical and Astronomical Services Administration)、通称PAGASA(パガサ)のGale Warning(強風警報)サイトです。

ドゥテルテ政権前までの長い期間、海にボートを出すかどうか、ダイビングを禁止するかどうかは、現場の判断に委ねられていました。

実際、半島西側が荒れていても、東側に移動すれば潜れる海況であることは、しばしばあります。

最近では、コーストガードが仕事に真面目に取り組むように仕向けられたのか、Gale Warningがレベル1でも出ていると、ボートの利用ができない運用になっています。困ったことに、アニラオのあるバタンガス州全体で警報が発令されるので、アニラオは問題なくても、バタンガスの他の地域が警報にかかっているとボートが出せないことがあります。

本来であれば、州内をさらに細かく分類して警報を出せればよいのでしょうが、そういうやる気もないでしょうから、これは郷に入りては郷に従うのが良い選択だと諦めています。

まとめると4段階

はい。というわけで、海に行く日程が近づいてきたら、まずは、

  • 日本の気象庁の天気図でフィリピン界隈の熱帯低気圧の有無を確認
  • 熱低があれば、台風情報で進路と強さを確認
  • 同時にWindyでアニラオの風の強さを把握して
  • アニラオより南のフィリピンのエリアで強風警報が出ていないかを確認

することで、当日ダイビングができそうかどうか、悪い海況じゃないかどうかが判断できます。どうぞ参考になさってみてくださいね。


ダイビングの方は、こんな1日でした。

朝食のたまごサンドに使われたパンは、フィリピンの元祖塩パン、パンデサル。スープもサラダも、野菜多めで、日本人のお腹には嬉しいメニューです。

水温30度。ガイドたちも軒並み薄着です。

ボートが出たあとのハウスリーフでは、オープンウォーターダイバートレーニングと、ダイブマスタートレーニング。

ダイブマスタートレーニングでは、スタミナ種目5種のうちの1つ、800メートルスノーケルスイムでした。やられた御本人曰く、これまでの中の種目で一番応えたとのこと。ノンストップで重いフィンを漕ぎ続けるのは、それなりに体力と根性がいりますね。

ランチは、はじめてのエビそぼろのちらし寿司。とり天もふっくらしっとり仕上がっていて、美味しかったです。奥さんとキッチンスタッフが担当しているキッチンが灼熱過ぎるので、エアコンを入れられないか検討中。マニラでレストランをやっている方にきくと、やっぱり業務用はDaikinが一番ということなので、ダイキンに問い合わせてみます。

午後のダイビングでは、ガイドのロナルドの器材の高圧ホースが水深18メートル付近で、破裂寸前のエアダダ漏れ。開けたり締めたりしながらエアをもたせつつ戻ってきました。バックアップ空気源を用意してくれたあらださん、ありがとうございます。ダイビング中のホースの破損、本人曰く人生2度目だそうです。

ダイブマスタートレーニングの項目に、そういえば、このバルブの開け閉めをしながら呼吸する項目なかったですね(PADIのインストラクタートレーニングにも同様の項目はなし)。Moguさんのダイブマスタートレーニングに任意で追加したほうがよいかな?

曇りの夕方の、ピンクに染まる空。曇りは曇りでまた夕景の趣ありです。

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