マニラでは、特に2024年10月頃から、日本人や韓国人などの外国人を狙った強盗事件が急増していて、日本大使館も注意喚起を行っています。
大使館が把握しているだけで、17件。それ以外も含めると20件を超える被害が出ています。日本人に限らず、韓国人など、他の東アジア系外国人も被害にあっています(日本大使館側の報告には上がってきませんが)。
事件の多くは、バイクで待機している2~3人組によるもので、拳銃のようなもので脅してカバンを奪い逃走するという手口です。
明るい時間帯や複数人で行動していても被害に遭うケースが報告されていて、過信は禁物です。
ここでは、私や、私の周辺にいる日系企業駐在員さんたちがどのような点に注意をして被害に合わないようにしているのかを、体験に基づき紹介していきたいと思います。
マニラで強盗被害にあいやすいのはどんな人
会社派遣の駐在員の被害が少ないことを考慮にいれつつ、これまで被害にあっているケースから抽出した要素は以下のとおりです。
•徒歩移動中に肩掛けカバンを持っている人
これがほとんどに共通している要素です。一部例外として、日本食レストラン内に強盗が入ってきたケースがありますが、それ以外は車道脇の歩道で肩掛けカバンをして徒歩で移動していた人が被害にあっています。
観光や短期滞在者
そもそも駐在員は徒歩移動を最小限にして車で移動するように会社から指示を受けているので、被害にはあいにくいと言えます。旅行者や短期滞在者で現地の危険な場所や、避けるべき行動(ここでは肩掛けカバンでの徒歩)を知らない人が主に被害にあっています。
単独行動や人気の少ない道の利用
徒歩移動は避けるべきですし、まして一人での徒歩移動は基本やめましょう。
私は一人で歩くことはありますが、その際はかなりの覚悟を決めて、注意をはらいながら高速で歩くようにしています。行き先が決まっていて、土地勘があれば可能なことですが、一般的に短期滞在者は行き先を探しながら歩きますし、どこに逃げ込めるのかの検討もつかないでしょうから、やはり独り歩きはオススメしません。
複数人で徒歩移動中でも、被害にあっているケースは報じられています。ただその時に被害を受けているのは、そのまま持ち逃げできる肩掛けカバンを持っている人でした。カバンの持ち歩きはやめましょう。
犯行の多くは以下のような手口です
• 拳銃のようなものを持った2~3人組(多くは2人1組)による犯行
・拳銃状のもので脅して、肩掛けカバンを奪う。抵抗すると拳銃上のもので殴られて怪我をするケースも(発砲は極稀なので、モデルガンを使っている可能性も疑われますが、実銃だった場合には洒落にならないので、抵抗してはいけないと、大使館からの注意でも言及されています)。
• 待機させておいたバイクに乗って逃走
• 夜の事例が多いが、明るい時間帯でも発生
基本は夜暗い時間帯ですが、日中での事件も報告されているので、明るいからといって油断は禁物です。
比較的安全な行動例
• 原則ドアトゥドアで車で移動(駐在員が使っている手法)
• 徒歩でもカバンを持たず、必要最小限の現金をポケットに分散収納
• 人通りが多いルートを選び、孤立しない
• 配車アプリ(Grabなど)を活用し、流しのタクシーは避ける
配車アプリだと、ドライバーの情報が後にアプリ会社経由でトレースできるので、犯罪に加担するケースが少ないと想像できます。
• スマホは歩行中に使わず、建物内や壁際で利用
スマホは見える位置に持っているだけで盗難のリスクがある(フィリピンでも最新機種は高値。盗難後所定のストアで30分もあればソフトウェアをいじられてトレース不可にできます)のと、歩行速度が遅くなること、周囲への注意ができなくなるので、リクスが高いです。
加えていうと、フィリピンの道路は突然の穴や段差があるので、盗難以外に足元不注意で転倒して怪我をする危険もあります。
歩行時の具体的な注意点
どうしても歩かなければならない場合は、以下の注意事項を守ることをオススメします。
• 明るく人通りのある通りを選ぶ
• 車道に近づかず、建物側を歩く
後ろから来た車両に乗っている人間にカバンをひったくられないためです。
• 周囲の状況(車の進行方向や背後)を意識する
特に車両が背後から来る側の通りにいるときは後ろからの音に注意。
• 早歩きで堂々と歩く(不審者に狙われにくい)
• 道端で声をかけられても、日本語・英語問わず無視してOK
そもそも、道端で声をかけてくるのが異常行動です。
• 聞こえないふり・わからないふりも有効
本当に困っていて、そこら辺にたくさんいる同邦人ではなく、わざわざ外国人に声をかけてくるケースは本当に考えづらいですが(日本で困った時、日本人より先に外国人に声をかけますか?)、万が一本当に困っていても、外国人が外国で道端で知り合ったばかりの人の助けになることは、ほぼありません。非情なようですが、フィリピンに長く住んでいる人間はこういう思考をするにいたっています。
緊急時の備え
• 日本大使館(マニラ)の連絡先を控えておく。
邦人援護ホットライン(24時間対応・年中無休)電話番号:(+63) 2-8551-5786
パスポートの盗難にあった場合は、最寄りの警察に被害届け(Police report)を出したうえで、大使館に連絡をすると良い。事件の解決には結びつかないにしても、日本に帰国するときに必要な緊急旅券(Emergency Passport)の発行の手続きがいずれ必要です。
被害時は身の安全確保が最優先。可能であれば現場の写真や犯人の特徴を記録して警察・大使館へ連絡。走り去る姿の撮影程度なら可能だが、面と向かってスマホで撮影するのは暴力を受ける可能性があるので、避ける。
・まにら新聞への情報提供
在比日本人に広く知られているまにら新聞に、事件の取材を申し出ることは、事件解決には繋がらないとしても、さらなる事件を避ける注意喚起にはなります。筆者の高齢の父が路上で警察官に拉致されて金品を奪われたとき(怪我がなくてよかった)も、知り合いのマニラ新聞の記者に記事にしてもらって、後の注意喚起としてもらいました。拉致がおこなわれた交差点には、後に防犯カメラが設置されることに。
まにら新聞 電話:(02) 5310-3429
マニラで安全に過ごすための心得
「目立たない・持たない・油断しない」が鉄則です。
夜の外出は控え、ショッピングモールなど安全な施設内で過ごすことを心がけましょう。人数よりも行動エリアと時間帯の選択が安全を左右します。ちょっとした持ち物や行動の工夫で、リスクは大幅に下げられます。
マラテ地区で発生した日本人2名殺害事件(2025年8月15日)
2025年8月15日、マニラのマラテ地区にて、日本人男性2名が射殺されたうえで金品を奪われるという衝撃的な殺人強盗事件が発生しました。
この事件は日本でも広く報道され、多くの方の耳に届いていると思われます。事件の特徴として、
といった点が挙げられます。
この衝撃的な事件は、マニラ在住の日本人社会にも大きなショックを与え、夜間の外出や行動に対する警戒感が一層高まっています。
事件の背景:通り魔的犯行ではなく、計画的な暗殺か
8月18日にはフィリピン人容疑者2名が逮捕され、
といった供述も報道されるようになりました。
マニラ在住日本人コミュニティの中で流布されている情報では、亡くなった2名のうち少なくとも1名には債務問題と返済トラブルがあり、それが事件の引き金となった可能性が取り沙汰されています。カジノで勝った帰りに事件に遭っていて、そのお金も盗まれていますが、それはあくまで殺害が第一義で、ついでの窃盗という見方が支配的です。
今回の事件はこれまでの一連の通り魔的な犯行とは異なり、明確な動機と依頼人の存在する計画的な殺人事件である可能性が高いという見方が強まっています。
蛇足ですが、暗殺の依頼金として、成功報酬900万ペソ(約2,300万円)、手付金で1万ペソ(約26,000円)を受け取っていたそうですが、ゴルゴ13への依頼でもないのに2,300万円もフィリピン人鉄砲玉に支払う日本人はいないと思います。
昔から、フィリピン下々の暗殺依頼価格は100ドル(5,300ペソ)程度~なので、今回被疑者が供述している手付金1万ペソこそが依頼金であった可能性は高いと思いますね。
本当に900万ペソ支払うと依頼主が言っていたのであれば、もしくは実行犯の周辺がそれだけもらえるのだと勘違いしていたとしても、今度は依頼主の側が900万円踏み倒したことを理由に、殺害されかねないです。
フィリピンでは、今も昔も金銭トラブルと男女関係のもつれが殺人事件の2大主因。今回の事件もその典型といえるかもしれません。
フィリピンで長く生活していると、お金の貸し借りは発生せざるを得ない状況になることもあります。なるべく貸し借りはしたくはないのですが、人死が起きるような多額の金額の貸し借りは基本避けるべきですね。 もしくは、「貸した金はあげたものと見なす」と割り切るのも、よくいわれるフィリピン処世術です。
現地では、SNS(特にFacebook)上で銃撃の瞬間や直後の映像が拡散されていて、図らずも視聴してしまい、撃たれて崩れ落ちる様子や、薄暗い街灯に映し出された血染めの頭部など、軽いトラウマになっています。検索すると出てくるかもしれませんが、視聴はオススメしません。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
現地の人との金銭関係に細心の注意を払う、感情的なトラブルを避ける、といった自衛策が今も昔も必ず守るべきフィリピンで生活するうえでの掟です。
ドゥテルテ→マルコス大統領に変わって以降、マニラを含む都市部では治安が悪化しているという実感があります。フィリピンにはたくさんの素晴らしい人々や文化がありますが、こうした事件によって外国人が敬遠し、「危ない国」という印象が強まってしまうのは、在住者として本当に残念でなりません。
今後も状況の変化があれば、随時追記していきたいと思います。
クラウドソーシング経由での相談に加筆しました
本稿はもともと、年末にフィリピン旅行を検討している方から「現地の様子を教えてほしい」との依頼を受けて作成したものでした。しかし、今回の事件を受けて大幅に加筆修正し、広く一般の方にも注意喚起として共有できるよう公開することにしたものです。
依頼を受けたのは日本のクラウドソーシングの大手ココナラで。コロナ禍でリゾート業がもうダメかもと思った際に始めた、ウェブサイト作成などの副業の一環としての現地相談に寄せられた案件からでした。 一応これでも、熱心にやっていた頃は、トップ5%のプラチナランカーでした。

Webマーケティング全般や、クラウドファンディングの運用など、タイミングが合えばお受けできるものもありますので、興味がありましたら、ご一報ください。
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