新年早々の「不穏な変更」:まずは現状整理します
新しい年が始まり、気持ちよくスタートしたいところなのですが、アニラオのダイブパスに少し不穏な変更が入りました。ゲストの皆さんにも直接関係する話なので、現状を整理してお伝えしておこうと思います。少し長くなりますが、お付き合いください。
そもそもダイブパスとは?(環境保全費という建前)
まず、そもそもダイブパスとは何かというと、正式には「Environmental Conservation Fee(環境保全費)」と呼ばれるものです。アニラオでは2003年から徴収が始まり、当初は50ペソでした。それが徐々に値上げされ、2013年からは1日1人あたり200ペソという形で長らく運用されてきました。名目としては、ブイの設置やアンカーによるサンゴ破壊の防止、海洋環境の保全といった、いかにももっともらしい理由が掲げられています。
ただ正直なところ、実際にブイがきちんと設置されているかというとそうでもありませんし、年間にすれば相当な金額が集まっているはずなのに、「それが本当に環境保全に使われているのか?」という疑問は、昔からずっとくすぶってきました。現場で見ていても、目に見える形で使われている実感がほとんどない、というのが正直なところです。
これまでの配分:200ペソは「マビニ150/ティンロイ50」だった
これまでのダイブパス200ペソの内訳は、150ペソがマビニ町(半島側)、50ペソがティンロイ町(島側)という配分でした。実際の印刷・発行・徴収業務はマビニ側が担っていて、「ティンロイ側にちゃんとお金が渡っていないんじゃないか?」という疑惑も、以前からささやかれていました。
去年からのゴタゴタ:独自徴収→立ち消え→そして再登場
そんな中、去年あたりからティンロイ側で「もう独立して自分たちで徴収したい」という話が出始めます。そして実際に一時期、アニラオで200ペソ払っているにもかかわらず、さらに50ペソを“村の条例”として独自に徴収する、という謎ムーブが発生しました。
しかも自治体よりさらに下のバランガイ単位で、しかも1週間ほどで終了。
続いて、今度はペラペラの紙のダイブパスを作り、ティンロイ町発行として再び徴収を試みましたが、批判があったのか、単に面倒になったのかは分かりませんが、これもいつの間にか立ち消えに。
そして今回、「三度目の正直」なのかどうか分かりませんが、なんと50ペソから一気に150ペソへと、界王拳3倍アップで復活してきた、というわけです。
2026年1月現在:島150/半島150、両方行くと300ペソ
2026年1月現在の料金体系は、マビニ側が150ペソ、ティンロイ側も150ペソ。つまり、島側だけ潜るなら150ペソ、半島側だけでも150ペソ、両方行くと合計300ペソ、という仕組みになりました。
マビニ側の運用は従来通り(ただし“島だけ”の日は要注意)
マビニ側の運用については、基本的にこれまでと同じです。ダイブパス自体はマビニの観光課で販売されていますが、ゲストの皆さんに毎回買いに行ってもらうのは現実的ではないので、マグダレナ側でまとめ買いをしておき、出港ごとに日付とサインを記入し、バンタイダガット(海の警備係)がチェックする、という流れで運用してきました。これ自体は今後も踏襲する予定です。
ただし注意点として、「島側でしか潜らないボート」にはマビニ側のダイブパスは切りません。つまり、出港=必ずマビニのダイブパス所持、というわけではないのです。精算時に、実際には半島側で潜っていないのにマビニ分が請求書に入ってしまう、なんてことがないよう、こちらも気をつけますが、皆さんも一応チェックしてもらえると助かります。
最大のややこしさ:ティンロイ側は「海上徴収」という新ルール
今回一番ややこしいのが、ティンロイ側の運用です。なんと「海上徴収」という方式になっています。つまり、ボートの上で現金(ペソ)を直接徴収される形です。ただし、毎回必ず徴収に来るわけではない、という不確実さもあります。

現金が絡むと事故る:現場で決めるべき管理ポイント
ここで現場的に悩ましいのが、ボートマンに持たせたお金が、徴収がなかった場合ちゃんと戻ってくるのか、誰がボートマンへの出入金を管理するのか、そしてボートマンに「グレーな裁量」を与えない仕組みをどう作るのか、という点です。現金が絡む話なので、ここを曖昧にすると、ちょろまかしの温床になりかねません。正直、かなり神経を使う部分です。
ゲストにとっての痛手:1日200→“最大300”になるケース
ゲストにとって一番のマイナス点は、やはり料金アップです。例えば、午前中に島側で2本、午後に半島側で1本潜った場合、島側150ペソ、半島側150ペソで合計300ペソになります。これまでは1日200ペソで済んでいたので、ゲスト目線では確実に負担増です。
「島側3本まとめて潜る」は現実的か?(ボート容量と安全の壁)
「じゃあ島側で3本まとめて潜ればいいじゃないか」という案も一応出ますが、現実的には問題だらけです。タンク3本積むとボートがパンパンになりますし、5人乗りだと安全マージンもかなり厳しくなります。昔は3本まとめ潜りもやっていましたが、基本は「2本+リゾートでタンク交換」というスタイルなので、通常営業としてはあまり良い選択肢とは言えません。
代案:午後をビーチにする?(でも満足度は読めない)
代案として、午後ダイブをビーチエントリーにする、という方法も考えられますが、連日潜るゲストにとって、毎日午後がビーチで本当に満足できるのか、という疑問も残ります。
さらに揉めそう:ガイド分のダイブパスは誰が支払う?
さらに厄介なのがガイド分のダイブパス問題です。マビニ側は年間パスがあり、現地ガイドは免除、という運用になっています。しかしティンロイ側は「ガイド分も払え」というスタンス。そうなると、「それ誰が払うの?」という話になります。
現地ガイドたちからは、「ガイド分は免除すべき」「本当に環境を守るなら、まず違法漁から止めろ」という声が上がっています。正直、網漁やフーカーダイビング(コンプレッサー送気で潜る違法漁法)が普通に残っている状況で、「環境保全費です」と言われても、説得力がないと感じてしまいます。
運用の現実:希望が割れてもボートは分けられない
実際の運用面でも悩みは尽きません。例えば、島側に行きたい人、半島側に行きたい人、両方行きたい人、とゲストの希望が割れた場合、ボートを即分けることはできません。なので現状としては、日本人の協調性に少し甘えつつ、行きたいポイントを優先し、ダイブパスは後精算、という形が一番現実的かなと思っています。
まとめ:分離は確定、運用はまだ試行錯誤中
まとめると、ダイブパスは正式に島側と半島側で分離され、マビニ150ペソ、ティンロイ150ペソという形になりました。両方潜ると300ペソになります。現場の運用は、正直まだ試行錯誤中です。
率直に言えば、「環境を守る気はゼロで、とりあえず金だけ欲しいように見える」と感じる部分もあります。でも決まりは決まり。外国人である私には、これを突っぱねる術もありません。
この制度が今後どう改善されていくのか、ちゃんと注視していく必要がありそうですね。


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