マニラ活動日。今日は、昨日の夕方に発表された、2018年以来3年ぶり開催のアニラオフォトコン受賞作品についての雑感と、受賞作品とマニラの弊社ご利用のフォトダイバーの作品との差を埋めるのに何が必要かを考えてみたいと思います。
フォトコン受賞作品はこちら。
審査員が選ぶものなので、「なんでこれが?」という疑問が湧くのは、どのフォトコンでもあることですが、その中で、難しいシーンを撮ったなと思ったのが、以下の3点でした。
オープンクラス、フィッシュポートレート部門1位のデニス(去年亡くなったロミーの弟で、インストラクタージュンジュンのオジ)の写真。
アニラオフォトコン常連で何度も優勝しているので、本来は審査員枠で参加すべきところが、なぜかそういう政治力は発揮できていない(なにか問題があるのですかね)のか、今回も参加者としての関わり。以前アケボノハゼの似たような構図の作品で受賞していますが、今回はもう少し浅めのハタタテハゼのアクビシーンで受賞。
大きくトリミングできないルールで、近づくと巣穴に隠れてしまう浮遊系のハゼを画角いっぱいに撮影するのには、度胸のある個体を探す技術と、寄る技術と、引っ込めない技術が必要。それにくわえて、アクビを出すまでの兆候を見逃さない観察力と、その瞬間を逃さないトリガー力が必要です。アクビシーンを撮るには、1)カメラを構える前にアクビのタイミングを観察すること 2)ストロボなどの撮影時にかかるストレスがアクションの引き金になる場合は、それに早く気づいて、それを駆使しながらアクビを促す ことが必要になります。
コンデジクラスの水中生態部門3位のエビのハッチアウトシーン。これはシーンそのものに遭遇するのがレア。2位のクソみたいなゴンズイ集合写真よりずっと素晴らしいと思うのですが、審査員には逆らえません。
コンデジクラスのフィッシュポートレート部門1位のテーラーズガーデンイール。穴に引っ込まないように、支持棒などを差し込んで(亡くなったベスが得意でした)巣穴の奥を潰してから撮影しているはずですが、審査員はそのあたりの生物虐待には目をつぶっているので、被写体をとりやすくする必要な措置はすべき(でもそのシーンを人に見られては絶対ダメ)という教訓を残してくれる作品です。
この3点に加えて、もう一つ特筆すべきだったのが、オープンクラスのウミウシポートレートの2位と3位の作品。黒抜き以外の背景(特に3位のは開放気味でのボケを使った撮影)で選ばれている点。1位がスヌート黒抜きなので、黒抜き優位はあるにしても、絶対黒抜きでなければいけないという程でもないことを示唆しています。
以上の特筆すべき作品を見た上で、その他の作品について総評すると、本当に審査員の好みの問題で、ある程度画角いっぱいに被写体が写っていて、かつピントがあって撮影できていれば誰にでも入賞のチャンスがあったものばかりでした。
以上を踏まえて、今回マニラから参加されたゲストさんの課題は、
1)自分のカメラでできる画角いっぱいに、ピントを合わせて撮れる
2)自分の狙ったアングルで撮れる
の2点だと思います。
特に、コンデジをお使いの方は、ワイドもマクロも撮れるカメラセットで臨まれたので、ワイド撮影時には有効でも、マクロ時にはアクセサリーが邪魔をしてカメラの取り回しが悪くてベストの構図と距離にカメラを置けなかった様子が見て取れました。
私を含むコンデジでTG利用者にとっては、どの被写体にマクロモード(実際には、水中マクロモードではなくて、Pモードで各値を設定したてズーム寄りに調整した状態)を使い、どの被写体に顕微鏡モード(こちらも、水中モードの顕微鏡ではなくて、顕微鏡モードでISOなどを固定した条件でCボタンに登録した状態)を使うかの線引も大切なスキルになると思いました。
1デジ・ミーラレスユーザーは、自前のレンズで最短距離で何が画角いっぱいに撮れるのかの把握からスタートする(これ、1デジマクロの最初の撮影基本スキル)のが良いと思います。それ以前に、カメラの設定を最適化するのも大切です。撮影に必要な最低限の装備構成と、本体設定。日本などでフォトレッスンを真面目に受講したときの、最初に使われる、陸での長い時間がこれに割り当てられていたのを、思い出しました。
ゴミ取りなどのポストエディングは必須で、水中写真撮影のガイディングに生活の糧を得ているデニスはさすがで、完全にゴミを除去して提出しています。ほかの人の受賞作は必ずしもゴミ取りはしていませんが、受賞作品はフィリピン観光省のプロモーションにも将来使われる可能性があって、その際には不要なゴミは完全に除去されるはずであることを考えると、受賞にゴミ取りは必要であると考えられます。
というわけで、マニラフォトダイバーの課題その3)は、ポストエディティングです。仕事で使うのでAdobeのサブスクリプションサービスを私は使っているのですが、一般ユーザーには無料アプリでのレタッチ(かつRawファイルも扱えるものが)好ましいです。以下のリンク(https://pic-sta.net/raw-freesoftware/)のなかから、良いアプリがあったら、紹介してみたいですね。
水中生物を写真に収めたいという好奇心ある通常の撮影は、それはそれで楽しいものです。その一方で、人が見たときに「お!」となる写真を撮るには、すぐに被写体をカメラに向けないで、
・どのシーンを撮りたいのか。
・どの角度で撮りたいのか。
・持っているカメラは狙いたい画角が撮影できるものなのか。
・どんなライティングでとりたいのか。
・アニラオフォトコンに関しては、絞りは絞り気味が好まれるので、開けた作風にするときの絞りはどうするのかについては、考えなくてもよいかも。もう数年は(いっそのこと、日本人の好む、ふわっとした作風は本来ガラパゴス的嗜好で、アニラオで審査員をする人間の多数に好まれるその日はついぞこないかも)。
などを考慮しながら撮影していくと良いと思います。一朝一夕で身につくものでは、もちろんないですが、そういうマインドセットにすることは、今からでもできそうです。関心のある方、お声がけくださいませ。
そんなフォトコンの終わった昨日12月5日は、日本の映画史上最高の売上を叩き出した、『鬼滅の刃 無限列車編』のその後のストーリーをつなぐ『鬼滅の刃 遊郭編』がTVシリーズで放送開始されたとのこと。主題歌の担当がLisaからAimerに変わりましたが、これはこれでなかなか格好がいいです。見るチャンスがあったら、運動のともに観ようと思います。
目指せ天界といっとき頑張っていたものの、最近は最低限の挨拶程度にしかログインしていない、スマホに唯一入っている稼働ゲームの、クラッシュロワイヤル。昨日世界大会が終わったと今日になって知り、第5回目の大会にして、日本人が優勝したとのこと。17歳のMugi選手、優勝賞金2,200万円(20万ドル)って、すごいです。
【#クラロワリーグ 世界一決定戦2021 Day 3 Match46】
⚔Mugi選手@Mutyan_crMohamed Light選手@MohamedLightCr1⚔泣いても笑っても最終戦!
世界一の称号を勝ち取ったのは日本のMugi選手
両選手とも、GGでした!#esportsroyale #CRL21 #クラロワ pic.twitter.com/ptJzbfQugT
— クラロワ公式クラッシュマス (@ClashRoyaleJP) December 5, 2021
2019年世界大会で優勝賞金が3,000万ドル(これも優勝者は16歳。3億円ゲット)だったFortniteといい、賞金に目がくらんだわけではないけれど、メジャーなゲームにはMagdalenaを含むプレイヤー名で参加をして、あわよくばメジャーになってアニラオに来てくれるダイバーが増えればいいなぁなどと思っていたりもしましたが、対して強くもならないので、そういうわけにもいかないのは、よくある話でした。
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