2022年5月5日現在のフィリピン日本往復に必要な条件

フィリピン側では2022年5月30日に、日本側では同年6月1日より、両国の行き来に関して大幅な緩和がありました。その詳細は、ブログ記事:日本フィリピンマニラ往復観光に必要な条件にアップデートを載せましたが、昔がどうであったかの備忘録として、本記事を残します。最新の情報を知りたい方は、上記リンクの内容をご確認ください。

2022年2月10日より、日本からフィリピンへのビザなし渡航が可能になったとの発表がありました。2年近く自由な往来ができない状況を打開する措置ですが、いくつかの条件が課されていますので、3月29日から4月7日までコロナ禍で初めて日本からのお客様(Sさん)を受け入れた実例を添えながらも、それについて整理したいと思います。(2022年5月5日現在)

日本出国→フィリピン入国時に必要な条件(主に4つ)
1)必要回数の新型コロナ対応ワクチンが接種済みである証明書
2)出発前48時間以内のPT-PCRテストの英語の陰性証明書または、出発前24時間以内の抗原検査の陰性証明書
3)信頼できる保険会社による、フィリピン国内滞在中のコロナウイルス感染症治療のための海外旅行保険(最低保証金額3万5000米ドル)に加入していること
4)以上の条件で入国した後、7日間はセルフモニタリングする義務があります。もし風邪状の症状が生じた場合は、町役場と協力の上、防疫措置がとられます。

以上が、コロナ禍における特記事項で、これ以外に、非コロナ時から存在する下記条件が必要になります。
5)フィリピン入国時に6ヶ月以上有効期限があるパスポート(確認し忘れていて、日本の空港で出発時に搭乗拒否されるケースが極稀にありました)
6)フィリピン到着日から30日以内にフィリピンから帰国・出国するための航空券

フィリピン出国→日本入国時に必要な条件
一)出発72時間以内のPCR陰性証明書(日本政府の定める書式に沿ったもの)
二)日本入国後、自宅等で3日(3日目に自腹のPCRで陰性なら隔離修了)隔離。モデルナかファイザーのブースター接種終了者は、隔離なし(2022年3月1日〜)。ただし、日本入国時に政府持ちの抗原検査を受ける必要あり。

それぞれ、気になるところを説明していきたいと思います。
1)必要回数の新型コロナ対応ワクチンが接種済みである証明書
デジタル、紙媒体どちらでも良いとのことですが、フィリピン人でも読める英語で書かれているものである必要があります。

実際にアニラオに来られた方は、書類による証明書を用意されました。

日本用と海外用の2つのQRコードが刻印されています。

日本語と英語の併記に加え、日本用と海外用の2つのQRコードが刻印されています。

自分の所属する自治体(今回は東京都渋谷区)で、「新型コロナウィルス感染予防接種証明書(海外用)」を申請して、取得します。渋谷区の場合は、郵送による申請か、スマホの「接種証明書アプリ」からのどちらかからの申請となっています。接種証明アプリはiPhone版こちら、アンドロイド版こちらです。申請にマイナンバーが必要なので、長く外国に住んでいて、日本に住民票がなく、マイナンバーを持っていない私のような人間には使用できないものになっています。

渋谷区のホームページでの説明では、郵送かアプリでの申請となっていますが、Sさんが3月中に申請したときは、郵送による申請で間違えがあると二度手間になるので、窓口での申請が可能という電話指示で、渋谷区役所の窓口申請でワクチン接種証を取得されていました。

2)出発前48時間以内のPT-PCRテストの陰性証明書(渡航用陰性証明書ともいいます)または、出発前24時間以内の抗原検査の陰性証明(2022年3月12日に追加)
日本国内の国際空港に、3時間程度で検結果の出るラボ(要予約であることが多い)の存在が認められていますが、価格が3〜4万円と、高額。必ず英語で書かれたものを用意すること。参考として、市内のラボで9,500円でPCR検査、5,500円で英文証明書を発行されてフィリピンに入国されてきた方がいます。

参考リンク
TMCグループ チームメディカルクリニック
世界180カ国の渡航用陰性生証明書に対応しているラボ。(16,000円)

ピカパカPCR クイック検査センター
ハワイ・アメリカ渡航専用と謳っていますが、ここの渡航証明書でフィリピンに入国してきた方もいらっしゃいます。(9,480円)

木下グループPCRセンター
無料や格安でPCRおよび抗原検査を行っている、木下グループの陰性証明書でも観光客として入国してきたかたがいらっしゃるようです。(1,900円〜安い!)ただ、PCR+陰性用渡航証明書という他のラボが出している書式ではなく、PCRの結果が日本語と英語表記のスクリーンショットである点で、日本側のチェックインカウンターで揉めたケースがいくつか報告されています(Facebook「フィリピン何でも情報交換」の例1)。結果飛行機には乗れたようですが、一応止められるリスクはあることを考慮に入れた上で、時間的に余裕のあるスケジュールで動かれるのが良いと思います。

また、4月5日より、木下グループのPCRおよび抗原検査の結果フォーマットが変更になり、前まであった、検査時間に関する情報が削除されました。2日前のPCR、前日の抗原検査では時間の表記がないとそれぞれ48時間と24時間以内の証明にならないので、チェックインカウンターで弾かれる可能性があります(問題なく入国しているケースも聞きます(例2)。予約完了を示す通知には検体摂取時間が記されているので、それを添付して切り抜けた方もおられるそうですが、慎重な方にとっては現状避けるべき検査ラボだと思います)。

3月11日の発表で、12日より、出発前24時間以内の抗原検査の陰性結果でもよいということになりました。万が一PCRで偽陽性がでても、翌日出発日の抗原検査で陰性証明がとれれば、旅行取り消しのリスクが減らせる選択肢としても、抗原検査結果でも可能とされたのは、一つの良いポイントです。

アニラオ渡航者第一号になったSさんも、準備中に抗原検査でも可という発表があったのですが、その頃にはすでにPCR検査の予約をされていたので、抗原検査は行わず、PCR検査に基づく渡航用陰性証明を取得されて、渡比されました。使われたラボは、ANA推奨の、Tケアクリニックでした。PCRの場合、即日結果の出るラボは少数派ですので、飛行機に乗るまでのスケジュールを逆算して、うまく予約・検査して、結果を得るようにしてください(それが面倒くさい説がありますが、いたしかたないです)。

こんな感じで、英語で作成されています。

こんな感じで、英語で作成されています。

3)信頼できる保険会社による、フィリピン国内滞在中のコロナウイルス感染症治療のための海外旅行保険(最低保証金額3万5000米ドル)に加入していること
日本語ではダメで英語で示せる保険証書のようなものがあったほうが無難です。大して難しいことではないと思うので、対応してくれる保険会社を探してみてください。補償金額3万5000米ドルというと、ビビりますが、約420万円です。ほとんどの海外旅行保険が治療1,000万円保障から始まっていますので、ここでの要点は、英語の保険証書となります。海外旅行保険の価格比較は、こちらから。

Sさんは、東京海上火災の保険を使われていました。空港のカウンターで当日申し込むのではなくて、事前に問い合わせて契約を結ばれた上で、保険契約書とは別に、英語でコロナもカバーしますという文言の書類を1枚作ってもらっていました。

その名も、Certificate of Insurance.

その名も、Certificate of Insurance.

下段の但し書きのところに、コロナをカバーしているという記述があります。

下段の但し書きのところに、コロナをカバーしているという記述があります。

以上の、1)ワクチン接種証明書 2)陰性証明書は、フィリピン政府が定めるOne Health Passを通して出国前までに登録しておく必要があります。英語でしか説明のないOne Health Passの記入の仕方は、こちらをご参照ください。

一)出発72時間以内のPCR陰性証明書(日本政府の定める書式に沿ったもの)
仕事でマニラに駐在している日本人は軒並みマカティメディカルセンターなど、日本用書類作成に長けた病院で検査し証明書を発行してもらっています。マカティメディカルでのPCRは結果が出るまでに24〜48時間(検査費用3,360ペソ、陰性証明書発行費用530ペソ)。アニラオの隣町のBauanでも、Chedric LaboでPCR検査および日本が定める書式での陰性証明書は発行できました。検査結果が出るまで24時間。費用は3,200ペソ+500ペソ+交通費。検体採取日と結果を踏まえた上で医師の問診を経て陰性渡航証明書にサインしてもらうため、2度ラボに詣でる必要があります。

万が一陽性結果となった場合(つまり、陰性証明がとれなかった場合)、飛行機搭乗ができなくるので、スケジュールをある程度自由に変えることのできる航空券を所持している必要があります。

陽性だった場合、強制隔離されるという言説もありますが、マニラ在住日本人が会社の検査などで陽性になった場合は、病院隔離ではなくて、自宅自主隔離が主な措置であることを考えると、強制隔離される可能性は低いでしょう。知らないふりしてどこかのホテルで陰性になるまで待機し、何度か受けたPCR検査で陰性結果が出た場合、その結果を持って飛行機搭乗、帰国となります。

二)日本入国後、政府指定施設で3日の隔離(到着日を0日目とし、翌日から1日目と計算)。ただし、ファイザー・モデルナの追加接種済者については、隔離無しとする(2022年3月1日より)。
ブースターなしのワクチン接種者で、隔離期間が7日から3日に短縮。ブースター接種者については、隔離が不要となったのが嬉しいですね。私はブースタがーアストラゼネカだったので、この恩恵に与れないのが、残念。何れにせよ、緩和に向けての動きは大歓迎です。

日本入国時には、空港で抗原検査を受けて陰性を得る必要があります。Sさんは40分ほどそのために時間をとられました。繁忙期など検査件数が多い場合は、もっと時間がかかる可能性があります。空港から自宅への交通への乗り継ぎを考えるときに、この検査時間も考慮に入れておく必要があることを覚えておいてください。

その他、必須事項として接触確認アプリのCocoaの携帯へのインストールが必要です。Sさんは、万が一日本出国時に濃厚接触者になっていたときのリスクを考慮して、フィリピンから日本へ帰る前にインストールされていました。必須ではないですが、空港検疫をスムーズに済ますためのMaySOSのインストールと必要事項への情報の入力もしておくと良いと思います(上記Sさんの体験の60分程度で検疫と抗原検査が済んだのに影響していると思います)。

真の意味での自由な行き来への道のりはまだ遠いですが、徐々に条件は緩和されていくと思いますので、日々状況を確認しながらアップデートを重ねていきたいと思います。

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