不安と向き合え認知症

マニラ行動日。奥さんがフリッターにするといってずっと冷蔵庫で眠っていた日本産の舞茸を成仏させるべく、朝から脂っこいですがフリッターに。ミョウガも限度なので調理できるタイミングを逃さずに、鰹節と和えて、和風な朝食担当。

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が、キッチンの使い方が汚いとかで、お勝手出入り禁止に。汚くたって、家事のお役に立ちたいので、きっと不法侵入は今後も続きそうです。いや、続ける。

先週買ってきておいた、手すりをお父さんの家に設置。

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お父さんにがいう良い場所につけたのですが、あとになって奥さんから、付ける部屋が違うの指摘が。11ミリドリルの歯もわざわざ買ってきて大穴を開けてつけたものなので、もう一箇所必要ならば、もう一本買ったほうがいいよねということに。

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奥さんからも呆けていると言われる私、家族にも高齢者がいて、かつ、父方の祖父も祖母も呆けたり、昔切り盛りしていたNGOの代表理事が特別養護老人ホームにも関わっていたのも思い出して、最近の認知症に対する取り組みがいかがなものかと思って、KindleUnlimitedで入手できる本を物色。川畑智著『マンガでわかる!認知症の人が見ている世界』。以下備忘録です。その後ブログ続きます。

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海馬の縮小などによって生じる、短期記憶の低下については、何度もいったり聞いてしまったりするのは、短期記憶の障害が本当の原因ではない。「ちゃんと覚えていたい」「周囲には迷惑をかけたくない」という、人としての当然の気持ちの表われ。

時間と場所の検討障害については、「男性の場合、働き盛りだった30〜40代に戻るケースが多いようですが、これは、認知症による不安を解消するために、自分がはっきりわかる時代や、元気で充実していた古きよき時代に戻るのではないかと推測されています」。

人の見当障害については、「顔の認識が苦手になると、声や服装など全体の雰囲気で判別するようになる」、「過去の世界に戻っている場合もあり、女性なら、自分が子育てをしていた20〜40代に戻っていることが多い」。

認知症の初期に多く見られる、「物盗られ妄想」については、「大切に保管していたはずの物がなくなってしまったため、不安と焦りを感じている」。「認知症の人は、覚えることが苦手でも感情は残っています。ケンカをしたり怒られたりしたことは忘れても、”この人は嫌だ”“この人は泥棒だ”という不快感が残るため、周囲の家族への“不信”につながってしまう」。

失語については、「思うように意思が伝えられず、もどかしい気持ちを抱き、自信を失う」「“思うように言葉が出てこない”“身近な家族と意思疎通ができない”という状況は、もどかしく、孤独なものです。徐々に自信を失ったり、疎外感を感じたりしてしまう」。

言葉の理解力の低下については、「私達の会話が早送り(2倍速以上)で聞こえているといわれています」。You Tubeで1.5倍速くらいはやりますが、ストレスなく聞いて内容がわかるのは、1.25倍速まで。2倍速は拷問です。今回読んだ中で、この人の会話2倍速強問題が、最も実感としてわかった恐怖でした。これが該当するのなら、テレビを観ても意味不明状況に終日身を晒されることになります。

運動機能の低下については、「ままならない体をどうにかして動かそうと必死で頑張っています」。努力で改善できる部分と、諦めて機能保全かこれ以上の低下を引き起こさない程度の付添運動が必要なのかも。「認知症の人は“あたりまえにできること”ができなくなるからこそ苦しいのです」。見極めですな。

いずれも「不安」がおかしな行動を呼んでいることを知ることが重要。「違う」などと論理性で潰していくのではなく、不安を取り除く方向へのアプローチが重要。

認知症には、1)中核症状と2)行動・心理症状がある。
 1)中核症状には本書でも取り上げたような、記憶障害、見当識障害、実行機能障害、判断力の低下、失行、失認、失語、失計算。
 2)行動·心理症状は、中核症状のために精神状態や行動に悪影響が及ぶために起こる二次的な症状。徘徊、暴言・暴力、妄想、介護への抵抗、弄便・失禁、睡眠障害、抑うつ、異色。それぞれに、家族を含む介護人に驚愕とストレスを与えるものだが、本人の「不安」がその行動の原動力。

「不安」が「不満」を生み、家族や介護人への「不信」を産んで、後に抵抗などの「不穏」行動に至る。

逆をたどると、「安堵」「安心」「安着」「安穏」のアプローチ。

例)食事をしたことを忘れているような、認知症へは、完全否定型、やんわり否定形、放置型、説明型、鵜呑み型より、寄り添い共感型。「本人は“自分は食事をとっただろうか”という不安な気持ちや、食事の楽しい記憶がなく寂しい気持ちを抱えているのかもしれません。認知症ケアでは、そうした気持ちに応えることが大切。そのため、実は、耳をよく傾け、共感して話を聞くだけでも訴えが収まることもある」。

「認知症が進んでも、最後まで残る記憶がある。それは、“感情記憶”」。多分、自分も含め、終わりよければ全て良しなのでしょう。何をよいと思うのか、それは家族や知り合いに囲まれたよい感情。

誰もが老いて、認知症にかかる可能性のある時代。少しは自分の今後の行動の足しになればと思いました。人間は不安が一番嫌で、理性のブレーキが効かなくなる痴呆でそれが顕在化するのは、ある意味、「自然」なことなのかもしれないですね。

珍しく外で肉が食べたいと意見が二人であったので、マクチャン(ホルモン)がウリの、コリアンタウンにある、Bern and Mimiへ。7時台は並ぶ店なので、6時前に突撃。しかもGrabも捕まりにくいご時世、早い時間に動くのは吉です。そして、早く帰って寝る。これ、最高。

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んがしかし、看板商品のマクチャン未入荷。オーナーだったら激おこプンプン案件ですが、今の時間はオーナーの韓国おばさんいずでした。

前回隣席のベトナム人グループがガンガン開けていた、韓国の梅酒、頼んでみました、500ペソ。結果、一口飲んで持ち帰ることに。度数は14%程なのですが、日本の梅酒でいうと苦味のある、悪い酒で作った古い梅酒の味。日本で流行るほどに日本人の舌が壊れないことを祈ります。

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安定のマッコリ300ペソ。上記梅酒にしろ、これにしろ、コリアングロッサリーで売っている3倍の値段(怒ってはいけないのは、仕入れ値の3倍販売は、レストランの常)なのと、B級グルメっぽい店作りの、ものすごく汚い店内の割には、料金の高めのこの焼肉屋、奥さん的にはNGで、今後利用頻度は下がりそうです。自分たちだけではなく、他のゲストも、店員がざっと掃除したあとのテーブルをアルコール吹きかけながら自分で拭いていました。

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でも、時間になると、並ぶんだよなぁ。あまり甘やかすのもいけないと思うのですが、こういうことを考えるのはお人好しな日本人だけで、汚い店内(つまり、それを許すオーナーの気質が疑問)上等の他の人々は意に介せずなのかも。

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使われているスタッフは、連日の午後1時〜午前3時の14時間労働でヘロヘロになりながらも頑張ってやっていて、気は利かないですがエゴマの葉(セサミリーフ)がおかわりで欲しいとかいうと、嫌な顔をせず持ってきてくれます。自戒を込めて、よくやるスタッフとダメなオーナーにならないように、少し気にしてみた夜でした。

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