買える自動車免許を試験で取得のケネディ|フィクサーに頼らなかった理由

水曜日のアニラオです。買い出しのため、マービンたちにアニラオから出てきてもらいました。

学科60点中58点、実技も一発

ケネディが先週、自動車運転免許の試験に落ちています。今週もう一度受けたいというので、クラリッサにコピーしてもらった講義メモのノートと、LTOの運転マニュアルで復習。マニュアルはトレーニング開始時に私が買ってあげたものです。こんどこそはそれでしっかり対策してきたようでした。

先週のスタッフミーティングでも話しましたが、彼は頭が悪くて落ちたわけではありません。正しい勉強のやり方というものを知らなかった。それだけです。

カルティマール市場で別れて、彼は一人で試験会場へ向かいました。前回はクラリッサが連れて行ってくれています。今回は自分で場所を調べて、自力でたどり着きました。これもケネディにとっては良い経験です。

結果は学科が60点中58点。そのあとの実技も無事に合格して、自動車運転免許を取得しました。

5000ペソで買える免許

フィリピンの免許センター付近にはフィクサーがいます。金を受け取って手続きを通してくれる仲介屋です。バタンガス州でも全部のLTOで通用するわけではないのですが、タアルのLTOならまだできるようで、だいたい5000ペソで免許を取らせてもらえるらしい。

ただ、それも良し悪しですよね。マービンが昔フィクサーに頼んで免許を取ったときの相手は、LTOの内部にいた友達だったそうです。その人はその後クビになっています。フィクサーをしていたからなのか、別の何かをしでかしたのかは分かりません。今どこで何をしているのかも分からない、とのことでした。

金額だけ見れば、5000ペソ払えば便宜が買える。時間も手間も省けます。それでも、せっかく何かの縁でうちのスタッフとして働いている人間には、真っ当なことを教えてあげたい。フィリピンには矛盾に満ちたことがたくさんありますが、その国が制度として用意しているものをちゃんと通って免許を取る。基本のキの字も知らないような田舎育ちの彼にとっては、この経験をさせてあげてよかったと思っています。

受かった本人も、嬉しい嬉しいと繰り返していました。諦めかけていたところをもう一回頑張るように、しかも真っ当なやり方でやるようにと励ましてくれたマグダレナに感謝している、という結構長めのコメントも届きました。これで心置きなく来週のカンパニーアウティングでセブに行ける、とも言っています。

その来週のセブですが、どうも天気が悪そうなんですよね。まあそれはさておき、彼が一つ大人の階段を上がった、嬉しい水曜日でした。

先週からのお葬式モードから打って変わっての耳まで裂けた笑顔を披露してくれています。

何気にオススメ、パラダイスダイナスティのデーツ餅

そんなケネディのお祝いではないですが、昼食は、グリーンベルト5の中華料理のパラダイスダイナスティ。

ケネディへというよりは、食事を作れるジェラルディンとマリエルに、最近ここで見つけた奥さんお気に入りのデーツ餅を食べさせてあげたかったのです。

ナツメヤシ(デーツ)の種を抜いた部分に白玉が入っている、スイーツです。

マービンとケネディはナツメヤシ自体が初めて。未知の食べ物にはあまり箸が動かないマービンに、免許に合格してなんでもやってやろうパワーが増しているケネディが、「食べてみなよ」といつもと立場が逆転しているのが微笑ましかったです。

なかなかに美味しいのですが、蒸し上げる関係でか、出てくるのはいつも最後なのが玉に瑕。アペタイザー枠なのですが、実質デザートとして食べることになることが多いです。

しかも、結構熱い。最初の一かじりは、注意してください。お値段288ペソ。

中進国は先進国になれない、というPIVOTの動画

これまでもブログに登場しているように、運転中や長距離移動のとき、私はよくPIVOTの動画を見ています。最近見たのが「なぜ大半の中進国は先進国になれないか?」という回。ゲストはシンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院の田村耕太郎さんです。

いわゆる「中進国」を貶めるための内容ではありません。フィリピンでも問題になっている、社会的に固定化された財閥の存在が、中進国が先進国になれない理由の一つだという分析でした。

田村さんの主張はこうです。先進国になるには工業が要る。ところが中進国には、世界で通用する工業ブランドがない。なぜ工業が伸びないかというと、設備に投資してから果実が得られるまでの時間が非常に長いからです。財閥としては身近な収入が欲しいので、不動産やカジノやリゾートに、どうしても資金を注入してしまいがちになるとのこと。実際、フィリピンで生活していてよく分かる分析でした。

日本は時機を得た

戦後、中進国を脱することができた日本、韓国、台湾は、本当に最後のチャンスを手にしたんじゃないかという分析もありました。もともとそういう素養があったのはあるにせよ、世界のその時のニーズにしっかりはまることができた。同じチャンスが今また起き得るかというと、非常に疑問です。第三次世界大戦のような、世界中が巻き込まれる何かがあれば、また新しいチャンスになるのかもしれませんが。

日本の場合は、戦後に財閥が解体されて農地改革が行われたのが大きいとも。そう言われてみればフィリピンは大地主に使役される小作人がかなり多い。大土地を所有している人がいて小作人がいるという構造では、小作人が農家として自立して、そこから余剰が生まれて、何かを買う。そういうことが起こりづらい。

もう一つ挙げられていたのが、社会に投下された資本の厚みです。先進国は分厚く、フィリピンは非常に薄い。福祉も社会保障も、日本と比べたら全然ないのはフィリピンでは日常ですが、日本で生活している人にはいまいち想像しにくいところであります。だから一段上の段階に行くのが、非常に難しい。

自分も年寄りになる

時機を得て潮流に乗れたから今の日本がある。ということは、次の潮流に乗れなければ先には行けないし、落ちぶれてもいく。今それがAIだったりエネルギーだったりするのでしょうけど、生き馬の目を抜くようなことが日本にはできていない気がします。年寄りが多いので、社会を回すのでいっぱいいっぱいなんじゃないかと。

でも自分も年寄りになってきますからね。

歳をとった人も若い人も、どんな人でも幸せに生きていけるような国づくり。そちらのほうが大事だと思います。世界の超大国である必要はない。国の舵取りは難しいでしょうが、国民の多くは、そのような国に日本がなることを望んでいるのではないでしょうかね?

人生についても同じでした。日本という国が時機を得て今の立場に成長したように、私もこれから年を取っていくステージに入ります。この時でしかできないことを見逃さずに決断していく。国の在り方を眺めていたら、最後は自分に返ってきた話でした。

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