大腿四頭筋による墓参り

家族のための日本デー。今日のイベントは、お父さんのご両親の墓参り。奥さんにとっては祖父と祖母に当たる人ですね。目指すは静岡県沼津市。

昨日滑って転んで怪我をした奥さんも、痛み止めが効いているようで、杖を突きながらで決行を決意。親子仲良く、杖つきバディです。

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目指すは本廣寺。Wikipediaによれば日蓮正宗のお寺さんだそうです。南無妙法蓮華経〜。

今日も元気に右左折前にワイパーマン。

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駿河湾を一望できるサービスエリアでパチリ。この場所、駿河湾沼津スマートインターチェンジ(IC)といって、ETC搭載車のみが出入りできるICだそうです。他にもETC車オンリーの出入り口が高速道路には多数設けられているようで、日本で車に乗るならETCは必須な事がよくわかりました。

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最新式のレンタカーだったので、カーナビ地図は最新、もちろんETCも完備かつ、330円でETCカードもレンタルできる仕様だったので、ストレスなく行き来ができました。

その一方で、カーナビ以前の智慧にも耳を傾けるべきだったのは、昨日の奥さんの甥っ子さん達のアドバイス。曰く「土日は大体事故渋滞がおきるから、距離的には遠回りでも、東名高速道路を避けるルートが吉」。

日本でのカーナビ初心者なのと、運転も久しぶりなので、今回はカーナビのおすすめする第一ルートの東名利用を敢えて選択したのですが、下り時も登り時も松田付近で事故渋滞。下手な運転手より、自動運転のほうがよっぽどマシだと強く思いました。ちなみに、奥さん曰く、フィリピンでは事故渋滞を起こした車の脇を通り過ぎるときに、火のついたマッチを投げるのだと。燃えてしまえってこと?

ETCが当前化して、ETC非搭載車の肩身が狭く感じるまでに、ETCが最初に現れた2001年から約20年。自動運転の導入が10年後として、今から30年後には非自動運転車駆逐の路線が確定する計算ですが、もっと早くに実現してもらいたいものです。「機械が判断するのは信用ならない」という意見があるのは知っていますが、ほとんどの人間は機械ほどには賢くないという程度に機械の能力は今や向上していると思います。

インターチェンジのお土産物売り場。TKGに最高だという雲丹醤油他。本当に日本の企業の商品開発熱には頭が下がります。買いませんでしたけどね。今日見つけた日本の良いところ、商品開発熱がものすごい。

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ヴィラマグダレナにおいてあるのと同じAED発見。ちょっと嬉しい。

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お墓に到着。車を止めて、お父さんに「お墓どこ?」と聞くも、判然としないので、一度来た記憶を頼りに、足の悪い二人をおいて、それらしき方向へ偵察に行くことに。地域的に当然のことなのですが、栗田家の墓多数に遭遇する憂き目に。とりあえず、墓誌の写真を撮りまくって、坂下にいるお父さんのところまで下っていきます(木陰の青と白の二人の姿、確認できます?)。

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「〇〇さんって、知っている?」「いいや」

(中略)

「では、〇〇さんは?」「あ、それお袋」と、ようやく発見。

今度は、複数あったどこの墓の墓誌だったか確認するためにもう一度坂道を登って、最上部付近で目的のお墓を見つけました。確かに、後ろが山だった。

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下まで降りてきて、栗田家の墓発見の報告をするも、「こんな坂道のぼれない。もういい」というお父さんは、ヨシオによるおんぶの刑に処して差し上げました。大腿四頭筋がほどよくパンプアップ。お墓への最後の平所のアプローチ(とはいっても、段差あり)は、お父さん全力のちからで自力で進みきりました。奥さんも、お医者処方の薬が効いたのか、杖も使いながら自力で登りきり。このペースだったら回復は早そうです(明日まで腫れると医者には脅されていますが)。

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今日見つけた日本の良いところもう一つ。親孝行っぽい行動は高評価。

まずは、茂った雑草むしり。小砂利に生えた雑草なので、抜くのは容易です。

来る前に、墓前に供える花はどこで買おうかと聞くと、このお寺では買った花ではなくて、墓地に生えている「コウバナ」を切って備えるのだといいます。

どんな花かと思ったら、葉っぱでした。漢字で書くと、香花。仏教正式には、「こうげ」と読むらしい。

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実はこんな感じ。蓮の蕾っぽく見えるから、仏教で珍重されれているのかと現場で思いましたが、親戚宅に帰ってきてウェブで調べたら、そういう理由ではなかったみたい。

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まずは、正式和名は樒(シキミ)。神道の神事に用いられる榊(サカキ)と近いようで遠い常緑性小高木です。さっき見た実が熟して茶色くなると、スパイスの八角(スターアニス)にそっくりになります。それもそのはずで、八角の和名はトウシキミ。中国(唐)のシキミ。非常に近い種類。

八角との違いは、シキミには毒があり、土葬が多かった昔、野犬に掘り起こされるのを防いだり、一年中強い緑の葉をつけるためお供えに適していたり、特に日蓮宗・日蓮正宗の重要視する法華経の中にその記述があったりで、この日蓮正宗のお寺では、シキミを供えるのが「普通」になっているんだと思います。

少し前に読んだ推理小説で、シキミを確信的に八角だと誤認させてカレーを作って計画殺人をしたものと、妙につながった瞬間でもありました。

無事お参りが済みました。奥さんから見て祖母と祖父。もちろん会ったことはありませんが、彼らがいなければ、お父さんも奥さんも存在しなかったわけで、二人に巡り合わせてくれた契機を作ってくれた、二人に感謝だけは短く念じました。

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で、このお墓には長男とその妻とその長男のみが入るそうなので、お父さんには入る権利がないそうです。そう聞くと、今の少子化のご時世、いわゆる長子で継いでいく「家の墓」なんて誰も守り手がいなくなるのではないかと心配に思うと、実際となりの墓は茂みと化していました。

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目を凝らして、かろうじて墓石が確認できる程度。お父さんのところの墓と同様、草むしりしてあげたかったですが、ほとんど樹木になってしまっていて、道具がないとどうしようもない状態だったので、手を付けずに退去。

墓石は積極的にはいらない派の自分ですが、草をむしったり、掃除したり、水をかけたり、花や香花をそなえたり、時には誰が面倒見るんだと家族の間で問題になったりと、「気にかけて、手をかける」ことが墓石の存在意義だったのではないかと思います。その機能が代替できるのであれば、家単位で守る墓石とその敷地はいならいように思うのですが、どんなもんなんでしょうね。その一方で、その構造すら取っ払った、故人と残された家族の新しい接点のあり方も、家族が納得すればアリなんだと思います。お父さんはお墓、どうしたいんだろう。我が母の方も確認しておかねば。ちなみに、私は違法でない場所に散骨で良いです。

奥さんが子どもの頃から、お父さんたち大人につれてこられていた、裾野市の手打ちそば富士見屋に寄って帰ろうと2時45分に現着すると、ちょうど店じまいしたあとでした。曰く、「そばをすでに売り切ってしまった」。

明日は小田原までは来るので、その後でと思って聞くと、「明日は定休日です」と。仕方がないです。

そばそば、ということで、次に見たそば屋が奥まっていて、通り過ぎた結果Uターンしたあとの、右車線走行。対向車が現れるまで、私も奥さんも気づかないフィリピン人っぷりを発揮しました。いや、正面衝突しなくてよかった。反応速度は、モンハンライズで少し身についたですかね(日本に帰ってくる前から触ってないですが。サンブレイクに早く移行しないともったいないぞ)。

その後ランチ難民になり、目的地から遠ざかる格好で見つけた、本来立ち食いそばっぽい店舗のスマル亭で、桜海老かき揚げそばとしらすかき揚げそば。どちらの食材もつよい主張をするものではないので、かき揚げの味はまぁまぁでしたが、こだわりの出汁の汁は美味しかったです。

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一人で切り盛りしている女性従業員さん。お父さんにも優しくしてくれて、たくさんサポートしてくれました。ハロウィン仕様のお菓子までお土産にくれたり。

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いやほんと、日本到着、運転免許の更新から、奥さんズッコケ事件を経て、一つの目的であったお父さんをお墓参りにつれていくことができて、ほっと一安心でした。

明日は、今日参ったお墓の主の生き残っている直系のもう一人、お父さんのお姉さんに会いに行きます。

というような、日本珍道中のため、アニラオヴィラマグダレナはお休みを頂いております。次回営業再開日は11月5日の土曜日です。皆様のご予約、お待ちしております。

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