本日はカンパニーアウティングで、スタッフ全員を連れてセブ北端のマラパスクワ島へ向かいました。
マラパスクワは私と奥さんが大好きな島です。ヴィラマグダレナを始める前、ここには6回ほど通いました。最後に来たのは2012年なので、もう14年前になります。世界屈指の確率でニタリに会えるダイビングスポットで、ボラカイ島を20年ほど前に戻したような素朴な白砂のビーチが今も残っています。観光地化がゆるやかに進みつつも、田舎らしさをちゃんと残している島です。
アニラオから空港へ、初めての飛行機のケネディ
スタッフはアニラオを午前2時に出発。クラリッサたちは朝早く、マグダレナに近いアルファマートに集合して車に乗り込み。到着したクラリッサを見て驚いたのが、叔父のデニスにむちゃむちゃ似ていること。血の繋がりは隠せないものだと実感しました。

私たちは空港で合流し、エアアジアに乗り込みました。ダイバー4人は器材を預け荷物ありで、潜らないメンバーは機内持ち込みのみ7キロという軽装での移動です。ケネディは今回が人生初めての飛行機で、ドキドキワクワクしている様子がこちらにも伝わってきました。



何より、先週自動車運転免許試験に合格したので、憂いなし!というのが大きいですね。
空港で機材を預けたときの重量制限は15キロでした。ここで一つ発見がありました。オンラインチェックインは24時間前だろうと思い込んでいたのですが、今回trip.comでチケットを取ったところ、14日前からオンラインチェックインができることが発覚。trip.comの仕様なのか、エアアジアの仕様なのかは不明ですが、おかげで行きの搭乗券を持っている時点で、帰りの搭乗券も既に手元にある状態で飛行機に乗れました。超便利です。
予定通り1時間半ほどのフライトで、セブのマクタン空港に到着です。
サトウキビ畑とハシエンダ、スタッフ育成に重なるもの
空港からは車での移動でした。ドライバーはかなり飛ばします。というより、スピードを出すというよりギリギリで避けていくタイプの運転(隙間5センチ)で、アニラオで私たちが使っている車よりもさらにスレスレでした。私やマービンが際どい運転をすると奥さんはむちゃむちゃ怒るのですが、このセブのドライバーに関しては「マガリーン」と褒めていました。
好意的にとれば、ぎりぎりでもぶつからない「上手い」運転技術ですが、一歩間違えれば事故になります。実際、付き合いのある旅行会社さん手配で、マクタンから南に行くルートで大きな交通事故があったケースもありました。こういうギリギリ運転で、一歩なにかを間違えた結果だったのでしょうね。
道中、サトウキビ畑を通りました。かなり荒れていて、聞けばここにあった製糖会社が潰れてしまったそうです。会社がなくなり、畑がそのまま野ざらしになっている場所がいくつもありました。

アニラオの周辺には農地がないので気づきにくいのですが、フィリピンには大農園、いわゆるハシエンダが今もたくさん残っている現実をここで実感。地主がいて、小作人に作らせる仕組みです。しばらく働かせたあと、土地を分け与えることもあると聞きました。
この話で思い出したのが、マラパスクワの漁村です。ボートマンやダイバーのほとんどは、マラパスクワ島の出身者。これは14年前の情報になりますが、今回も泊まるエキゾチックは、島の若者を訓練してダイバーに育て、しばらく働かせてレベルアップさせたのち独立させる、という流れを取っていました。働いている間の給料はむちゃむちゃ安く、その代わりご飯やダイビングのトレーニングフィーなどは用意する。地主と小作人の関係に近いものを感じます。
日本人だと使っている相手との距離がもっと近い印象がありますが、エキゾチックのオーナーはオランダ人で、もともと欧米系の考え方です。より小作人的な使い方をしつつ、長く勤めれば報酬を与える。そういうスタイルなのかもしれません。
いつの間にやら壊滅のセブ北部のサトウキビ産業
ハシエンダについて調べてみると、セブ島およびその近辺のハシエンダは、主に北部のメデジンやボゴ市周辺に広がるサトウキビ農園として発展してきた土地(まさに通ったところ!)でした。古くから「セブのシュガーボウル」と呼ばれてきた一帯です。ただ、産業構造の変化で今、大きな転換期を迎えています。
きっかけは地元製糖工場の閉鎖です。セブ北部のサトウキビ産業を長年支えてきたのは、1928年設立のボゴ・メデジン製糖会社(Bomedco)でした。機械の老朽化と生産量の低下を背景に、2023年に操業を停止しています。農家や農園主は、収穫したサトウキビをタニョン海峡の向こう、ネグロス・オクシデンタル州サガイ市などの製糖工場まで運ばざるを得なくなりました。10輪トラック1台あたり9,000ペソ以上という輸送費が重くのしかかり、栽培の採算はかなり厳しくなっています。
利益が出しづらくなった結果、メデジンだけでも数千ヘクタールのサトウキビ畑が手つかずのまま放置されています。農業組合への加入者も減り、広大な農地が住宅地などへ転用されるケースも増加中です。かつての大規模なハシエンダの姿は、急速に縮小しつつあります。
この状況を受けて、セブ州政府や農業省はサトウキビからイエローコーン(家畜飼料用トウモロコシ)への転作を後押ししています。セブ島内には大手の飼料メーカーがあり、需要が安定して見込めるからです。ただしサトウキビが台風の強風にもある程度しなやかに耐えるのに対し、トウモロコシは一度の嵐で大きな被害を受けやすいという弱点があります。気象リスクや行政支援の続きやすさに不安を抱く農家は多く、地域全体での転作には慎重な声も根強いようです。
製糖業を支えてきた基盤インフラを失い、コストだけが上がっていく。セブ近郊のハシエンダは今、サトウキビ単一栽培からの脱却か、農地そのものの用途変更かという、厳しい選択を迫られているそうです。
変わらないようで、変わっていくものですね。
マヤ港へ
車での移動中、朝ご飯を食べようとドライバーにおすすめを聞くと、マクタンにあるレチョンの店がいいと言われました。ですが早すぎて開いていません。次に案内された店もまだ準備中で、結局ジョリビーで済ませることになりました。それはそれで仕方ありません。

セブ島の北端、マヤまでは車と船を合わせて3時間ほどです。今回はエキゾチックに車とボート両方の送迎を頼んでいたので、環境税などの諸々のフィーは支払い済みでした。昔訪れたときには大きな桟橋がなく、小さな船に乗り換える必要があったのですが、今はしっかりした桟橋ができています。その分、施設でとられるお金は上昇したみたいですけどね。
パンタウパンタウの激流チェックダイブ
マヤの港では、エキゾチックリゾートが手配した大きなバンカボートが待っていました。アニラオではなかなか見ないサイズで、スタッフはドキドキワクワクした様子です。高いところにすぐ登りたがるスタッフもいました。大きなバンカなので、沖に停泊して、さらに小舟に乗り換えてトータル40分ほどで、久しぶりのエキゾチックダイブリゾートへの到着です。




到着後、ロナルド、ジュンジュン、クラリッサ、私のダイバー4人衆は午後のダイビングに向かいました。チェックダイブは本来ハウスリーフでやりたかったのですが、流れがあるということでパンタウパンタウという少し北のポイントに変更になりました。ところが水深25メートル、しかも表層激流です。ジュンジュンも私もエアの消費がかなりやばい感じで、潜行時の最大心拍数は169まで上がりました。心拍数が160を超えると「もうダイビングはヤダ」という気持ちになる、というのは今回初めて実感したことです。貝まみれのロープを掴んでの潜行だったので、右手は傷だらけ。まぁ、いい思い出です。
ニシキテグリとハウスリーフの夜ダイブ
サンセットはライトハウスでニシキテグリを狙う予定でした。ちょうどエキゾチックのあるのとは反対側にあるポイント。ただ波と風が強く、断念。ニシキテグリならハウスリーフでも見られるということで、サンセットから夜にかけてはハウスリーフでのダイビングになりました。昼過ぎに激流だったハウスリーフも、この頃には流れが止まっていました。
実際にニシキテグリはいました。ただ、昔のライトハウスで見たような、何匹も飛ぶような景色はここでは難しそうです。それでも、いることは確認できました。アニラオでいうと、EJでチラ見する感じの分布感です。
ハウスリーフにはいくつもの沈められたオブジェクトがあります。以前あったものは崩れたり、新しく沈め直されたりしていました。他のダイブショップも多くて、この日は6グループほど入っていたと思います。途中ではぐれたり混ざりそうになるのもまたアトラクション。本来は、ガイドが目印つけておくと良いかもしれませんね。
ビールタイムとクリスピーパタ、ピザ窯のあるエキゾチック
ダイビングを終えて上がると、ビールタイムです。マービンたちはすでに出来上がっていて、いい雰囲気の中に私たちダイバーも加わり、晩ごはんになりました。クリスピーパタをはじめ、以前はなかったピザ窯もあります。日本製のピザ窯だそうです(どうやって持ってきたんだろ?)。昔はピザを食べに外へ出ていましたが、今はここで全部完結できそうな様子でした。




14年ぶりのマラパスクワは、港もリゾートも変わっていました。それでも大きな船に登りたがるスタッフや、初めての飛行機にそわそわするケネディの顔を見ていると、この島がまた新しい思い出を作ってくれている気がします。
明日はいよいよメインイベントのニタリダイビングです。以前より浅い水深で見られるようになったようで、そこも期待ですね。
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