マグダレナからの『まぐだら屋のマリア』

アニラオが遊泳禁止で潜れなかった土曜日、原田マハの小説『まぐだら屋のマリア』を読み終えました。傷を抱えた人たちが生き直していくちょっと重めだけれど、希望と赦しのあるお話です。うちの屋号「ヴィラマグダレナ」は、この物語のモチーフになった聖書の女性、マグダラのマリアから来ています。

金曜夜に遊泳禁止令、解除は土曜の朝日が高くなってから

マビニ町役場から昨日の夜7時過ぎに遊泳・水上活動の禁止令が出たので、土曜はダイビングを全面的に見合わせました。解除されたのは、翌朝9時を過ぎてからです。

ただ、解除されても海況の状況は予想通りよろしくない。禁止令解除後にダイビングを決行した他のサービスも、対岸のマリカバン島には渡らずに、半島側の凪いだポイントを選んで潜っていました。

海況が荒れている日は、無理に来て潜るより日程をずらすほうがいいです。というわけで、マニラから出発で予約をされていた方々は延期を決断されました。

潜れない最終日も楽しく過ごせる若きパワー

日本からいらしていた学生たちは、最終日のダイビングはお預け。それでもリゾートの中で輪になってゲームをしたり、話し合いをしたりして楽しそうに過ごされていました。陸にいるだけで楽しめるって、すばらしいです。

砂に文字を書くって、まさに青春?!

夜はバーベキュー。普段はスタッフが焼くのですが、やってみたいか聞いたら全員やりたいと言います。初めて炭を触る子もいれば、オーストラリアに留学していてバーベキューなら任せておけ!で、リーダー役を買って出る子もいました。潜れなかったですが、夏の終わりの記憶としては悪くなかったんじゃないかなと思います。

バーベキューを「教える」のは、想像以上に難しい

焼き方を教えているのは、バーベキュー歴?13年のマービンです。炭の上での焼き方や、ひっくり返すタイミングなどは、伝えられます。難しいのはその先で、蓋をいつ閉めるか、閉めている間に肉へどう火が入っていくかをイメージさせるところまでは、言葉が届きません。

ほとんどすべての仕事に通じますが、バーベキューにしても自分でやったほうが早いです。まったくの素人においしく焼かせる指導は、焼くこと自体よりずっと難しいこと。

そもそも英語があまり得意でもないマービン。以前よりは教えるコミュニケーション力は発揮できるようになっていますが、蓋を閉めるとき、頭の中で肉の内側に火が入っていくのを思い描きながら閉める、そこまで伝えるのはなかなか難しかったみたいです。

マグダレナで『まぐだら屋のマリア』

少し前にいらしたゲストさんが「NHKの『まぐだら屋のマリア』ってドラマ知っている?」と教えてくれました。調べてみたら、原田マハの小説が原作のもののようです。原田マハは絵画を題材にした小説が多い作家で、私もわりと好きなほうです(そもそも、彼女の作品を読み出したのは、先日亡くなった山田五郎さんのYouTube「山田五郎大人の教養講座」がキッカケでした)。

まぐだら屋のマリア
【NHK】【NHK公式】土曜ドラマ「まぐだら屋のマリア」「お腹減ってるでしょ。何か食べる?」全てを失い、人生の終わりの地を求めてさまよう料理人・及川紫紋(おいかわしもん)が辿り着いたのは、首に傷を持つ謎めいた女性・有馬りあが切り盛りする定食...

「ヴィラマグダレナ」の名前は、聖書に出てくるマグダラのマリアから取っています。同じ名前インスパイアの物語だということで、そのゲストさんもドラマを見られたのでしょう。ドラマの存在をきいてから2ヶ月近く経っていますが、ちょっとずつ読んでいて、読み終わったのが、この土曜日です。

原作の表紙はこんな感じ。クリックするとAmazonに飛びます。

ドラマではマグロとタラの「まぐだら定食」が売りのお店という設定らしい。小説版の方には出てこなかったような。

過去に傷を抱えた人たちが、それぞれの事情を抱えたまま交わっていく話です。読む前から「重いよ」と聞いていましたが、小説にしてしまえばそれほど重い方でもない気がします。

傷ついた登場人物が、少しずつ生き直していく。絵画ベースの話ではないですが、明らかにキリスト教にも通じる赦しが根底に流れている作品です。かといって説教臭いわけでもない。

クリスチャンの端くれとしては、読んでいるそばからキリスト教由来の名前が使われていることに気づける、プチクイズ的な仕掛けも楽しめました。

主人公の紫紋(しもん)は使徒のシモン(後のペテロ)、もちろんマリアは言うまでもなく。福音書の作者のマルコやヨハネも出てきましたよー。

読みながら名前の元ネタ探しをしていましたが、初読では気づけないものもありました。私が最後まで気づかなかったのは、カナンとアンナとキリエ、カナンは「カナンの地」だと分かっても、漢字になっていると結びつきませんでした。アンナはちょっと私の中では聖書のマイナーキャラでした。

キリエが教会の祈りの言葉だというのは、ここで初めて知りました。ユダにあたる人物も名前だけ登場の人物だったのもあって、読んでいる途中は聖書のユダだと思っていませんでした。

キリスト教ウンチクがなくても、もちろん楽しめる、良作です。マグダレナではマグロとタラを使った「まぐだら定食」は出ませんが、名前つながりとして、ドラマを視聴したり原作を読んだりしていらっしゃるのも乙かもしれませんね。

というか、マグダレナダイブリゾートを象徴する食事ってなんでしょうかね? ほかであまり食べないタイプのもので、アニラオの風景が思い出されるようなものだとすると、なんだ?

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