フィリピン人3人組と地下神殿、そして東京タワーと秋葉原

マービンはピーマンが嫌い

男子スタッフたちのジャパン2025、8日目です。一日フルで観光に使えるのは、今日が最後。

朝ごはん前から彼らがやってきてくれたのは、山の掃除で使った道具の手入れ。

チェーンソーも長靴も、みんなきれいにしてくれていました。

私はというと、連日の運転疲れもあって、少しゆっくり寝かせてもらったんですが、朝から黙々と動いてくれているのを見ると、ありがたく感じます。人は一人では生きてゆけないですね。

朝ごはんは今日も野菜多め。

「マービン、最近はだいぶ克服したかな」と思っていたら、ピーマンでストップ。

マービンのダメ野菜は、生の玉ねぎとピーマンで確定しました。ピーマン食べられない小学生か、と思いつつ、ジュンジュンに押し付けて食べさせている構図がちょっとジャイアンとスネ夫。

朝食後は「生き生き長寿体操」に参加。平均年齢はたぶん75歳くらい。みんな本当に生き生きしています。

運動自体は激しくないけれど、ひねったり、バランスを取ったりと、しっかりやるとじんわり効いてきます。

マービンなんかはタンクを運ぶとか、決まった動きしかしない仕事柄、体が固まっている様子でした。

多彩な動きをするこういう体操、ゆるやかだけど結構いい運動になっているようです。

私は最近ヨーガに傾倒していますが、これはこれで良いものです。

練功には、3つのシークエンスがあるのですが、うち1つくらいは、いつでもできるようになっておくのも良いと思いました。日々のプチヨーガに加えるとなおよさそう。


地下神殿へ、クレヨンしんちゃんの街・春日部へ

今日のメインイベントは「地下神殿」こと首都圏外郭放水路

日本に来てから行くことが決まって、予約がギリギリで、4人分しか取れなかったので、奥さんの分は惜しくも取れず。後で都内で合流です。

場所は春日部。うちからはけっこう遠くて、もう少しで千葉県というあたり。駅からも遠い川べりの立地なので「電車より車がいいね」と判断して、車で向かいました。

春日部といえば、クレヨンしんちゃん。作者の臼井儀人さん(登山中の事故で亡くなられた方ですね)が住んでいた街でもあります。ジュンジュンがフィリピンでのしんちゃん世代なので、ちょっと記念撮影。

ちなみに「ぞーさん」は「エレファントー」だったって。

そもそも今回ここを訪れようと言い出したのはジュンジュン。

アニメか何かで見たのかと思いきや、実はもっと真面目な理由がありました。

最近フィリピンでは、マニラの洪水対策予算「1兆ペソ」がどこかへ消えたという汚職事件が話題に。

本来なら日本のような治水施設が作れたはずなのに。そういうニュースの中で、この春日部の地下神殿(首都圏外郭放水路)が「理想的なフラッドコントロール施設」として紹介されていたらしいのです。

つまり彼らは、“社会科見学”として来たわけ。旅の目的をちゃんと理解しているじゃない。どこかのアニメの聖地巡礼か?とか疑ってごめんなさい。

ワタシ的には、映画『翔んで埼玉』の最後のシーン「世界埼玉化」計画を発表した集会のシーンで使われていたのが印象的でした。立地も春日部なら、完璧ですね。


18メートルの柱とロナルドの水深の実感

この施設、13年かけて総工費2300億円。今年はすでに7回稼働したとのこと。

仕組みとしては、台風シーズンなどに小さな川があふれそうになると、その水を巨大な立坑(たてこう)に導いて、江戸川に放流するというもの。

高さ18メートルの柱がずらりと並ぶその空間はまさに“地下の神殿”。この柱たちは、水を支えるためというより、空洞全体が地下水で浮かないように“おもり”として存在しているんだそうです。

地下神殿の柱の高さ、18メートル。ただ「大きいですね」で終わらせなかったのがロナルド。

彼はオフの日に素潜りで魚を突いているんですが、その水深がだいたい15〜20メートル。つまり、彼が日常的に潜っている深さと、目の前のこの巨大な柱の高さがちょうど同じ。

「自分、こんな深さの中で魚を狙ってるのか」と、しみじみ見上げていたのが印象的でした。

地下神殿を水深で感じていたのは、たぶんロナルドだけだったと思います。さすがハンター。


日本のコンビニ弁当は世界一

見学を終えて、そのまま東京タワーへ。ほんとは都内には一度家に戻って電車で行くのが理想だけど、距離的にも時間的にも現実的ではなく、車で直行。

途中、「ご飯食べよう」と思っても春日部郊外は飲食店が少なくて、結局セブンイレブンでお弁当を買って昼食。

でも日本のコンビニ弁当のクオリティ、ほんと高い。フィリピン以外の国のコンビニと比べたことはないですが、きっと世界レベルなはず。

そして買うのは、安定のチャーハン弁当。どこに行ってもチャーハン。ロナルドが「野菜食べた方がいいと思うけど、これなんですか」と言いながら、浅漬けのパックを手にしていたのがちょっと笑えました。サラダだったら、こっちだよとサラダのパックを示しましたが、それだと量が多すぎるみたい。野菜嫌いからの大進歩。かわいいやつです。


東京タワーで並ばない隠れルート

東京タワーの地下駐車場に車を停め、階段を上がって見えてきたのが、一本丸々東京タワー。これは写真を撮るべしっと、先に歩いていた3人を呼び止めて「はいはい、写真撮るよ!」と3人を並べたところで、

横から謎の外国人男性に「ヘイ!」と声をかけられる。

どうやらその階段の出口、外国人観光客のあいだでは“東京タワーがきれいに全部入る撮影スポット”として有名だったらしい。出口を出ると、インバウンドしか並んでいない謎の列ができていました。

もしここで写真を撮るなら、地下駐車場から上がってくるルートは並ばずに撮影できておすすめです。

このあと、東京タワーの下から階段で登ろうと思ったんですが、平日は登りルートが閉鎖中。土日限定なんですね。

仕方なくエレベーターで上へ。2つある展望台のうち、下の展望台は1,500円を支払えば、いつでも上がれる広さ。一方、上の最上階展望台はキャパが小さいので、17時の回まで上がれないということで、今回は断念。

そして階段で下り。およそ600段、8分間の足トレです。地下神殿でも116段昇り降りしてきたのですが、追加ですね。いい運動になります。

展望台からの景色を満喫したあとは、ジュンジュンの希望で秋葉原へ。アニメ好きの彼にとっては「フィギュアがたくさんあるらしい」という場所だったのですが、先日ハードオフに行ったときに目にしたフィギュアの値段が思いの外高かったみたいで、フィギュアショップには入らないことに。

無表情なメイド喫茶の呼び込みさん、3人とも視線のやり場に困って、そそくさと通過。結局、いつものドン・キホーテへ。

4回に10個もの免税カウンターが整備されたインバウンド仕様の店内で、お菓子を山ほど買い込み。「ドンキだけが目当てなら、秋葉原行かなくても良かったね」という結論に。


実は入曽の名店?蓮華は何を食べても美味しそう

夕食は、うなぎを食べたかったんですが、行きたかった店は定休日。埼玉の実家の近くまでもどって、「じゃあ昨日の蘭でいいか」と思ったら、そこも休み。

最終的に、奥さんが前から気になっていた中華料理店「蓮華」へ。見た目は地味で、気づかずに通り過ぎちゃいました。わかりにくい駐車場に車を停めて向かった軒先には干し肉が吊るされていて、只者ではない雰囲気。

本格的な広東・四川料理店で、プロの料理人が後学のために訪れるほどだといいます。火鍋なんかは20時間仕込みという気合いの入った一品。2日前までに予約して、いつかその火鍋を食べてみたいです。

唐辛子アレルギーが心配で、今日は辛味抜きでオーダーしたけど、スープの旨味がしっかりしていて、化学調味料に頼らない味。ロナルド、ラーメンのスープほぼ飲み干してました。

「いい店、見つけたな」と素直に思いました。きっと何を食べても美味いはず。ここはまた来ます。絶対。


一番がまとめられない人たち

帰宅後は、パッキングターイム。

最後は、例によってレモンサワーで乾杯。

地下神殿から東京タワー、秋葉原、そして地元の中華まで、盛りだくさんすぎる1日でした。

日課の夜の水泳から帰ってきた母が、フィリピン人の3人に「日本滞在中で一番よかったところって何?」と聞きました。

そしたらね、3人とも同じような答えをするんですよ。「一番っていうより、全部よかった! 地下神殿でしょ、JAXAでしょ。。。」って。

いろいろ喋ってくれるのは良いのですが、ここでの肝は、「思い出を掘り起こして、一番を決めること。さらにそれを人にわかりやすく説明する」スキルです。

元教師だった母からすると、たくさんの生徒になるべく発言の機会を持たせるためにこういう質問をするのは常套手段だったんだろうなと思いつつ、そういった意図にふれることなく育ったフィリピン人3人でした。

頭の中で出来事を整理して、ラベリングして、優先順位をつける、そういう思考の筋トレだと思って話しかけてるんですけどね。

でも、どうもその「整理する力」が疎か。最近の事柄を中心にイベントを並べていく。あれだけ興奮していたイルカと一緒に泳いだのも、忘れていました。結局、最近のことしか思い出せない。

もちろん、人を責める話じゃないです。私も速攻忘れますので。で、その忘れる自信があるのでこうやってブログを書いたりして外部記憶として残しているんです。ほんと、すぐ忘れますよ。私。

明日は、明後日のフライトに備えて、都内のホテルに移動です。

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