フィリピン人スタッフも悟りの境地へ?静寂の庭に心洗われた一日

自由行動スタート、まずは伏見稲荷へ

京都3日目は、自分たちだけで行動する日に。AIのアドバイスを参考にしながら、外国人が行きたい日本で1位になったこともある伏見稲荷大社からスタートしました。朝7時にホテルを出発し、電車で向かうと到着時にはすでに多くの観光客の姿が。「千本鳥居」として知られていますが、実際には境内全体で約1万本もあるそうです。

写真撮影では外国人観光客のカメラ文化が悪い意味で印象に残ります。日本人がスマホでサッと撮る時代に、キャノン・ニコン・ソニーを首から下げてモタクサ撮影するインバウンドの面々。

かつて日本人が海外でやっていた光景が、そのまま逆転して返ってきているようで、以前の日本人が大いに邪魔だったのかと思うと、ちょい恥ずかしい。これからの日本人世代が時代に逆行しないことを祈ります。人が映り込んでも今はAIで簡単に消せるので、後処理でムカつく気持ちと一緒にスッキリ消去が可能で良い時代になりました。

山全体が御神体の伏見稲荷。山の霊気を感じながらお参りしたいところですが、人の出歩いている時間では無理ですな。

朝食は、お稲荷さんの近くということでいなり寿司。昨日から汁物を探していた3人なので、うどん+お稲荷さん。

稲荷寿司の発祥は伏見稲荷ではなく江戸だそうで、東京では俵型が多いですが、関西では三角形が主流です。
気になったのは米のもちもち感が強いこと。昨日の夜の穴子寿司ももっちりでした。地域性? 個人的には、もう少しパラッとした江戸前の食感の方が好みです。

平等院鳳凰堂:10円玉と旧1万円札に愛された場所

奥さんリクエストの平等院鳳凰堂へ。現在の10円玉の裏と旧1万円札、2種類の通貨デザインに採用されているという事実を改めて考えると、昔の日本人の「平等院愛」の深さはいかほどのことか。

前回感動した博物館セクションも、2度目なのでそれほどインパクトがなかったのはちょい残念。

宇治を歩く。そして人生初アナグマとの遭遇

平等院を後にしてすぐ近くの宇治川をわたって宇治上神社へ。

宇治上神社の本殿は、平安時代に作られたもので、現存する最古の神社建築で国宝だそう。女子二人は、それよりおみくじに夢中でした。

黄檗駅の近くにある、たま木亭でパンが買えたらいいなということで。駅まで徒歩+電車で27分のところを「店まで歩いても33分なら歩こう」ということになり、てくてくと歩き始めました。

福寿園の茶房もあったのですが、立ち寄れずに残念なので、自販機でペットボトルを購入。京都歩きのお供に京都のお茶。

すると道中、人生初のアナグマに遭遇。顔に黒い縦線が入ったあの独特の模様。タヌキやイタチは埼玉育ちなので子どもの頃に見たことがありましたが、アナグマは初めてです。英語では「バジャー」というらしいのですが、クラリッサは「ラクーンドッグ(タヌキ)?」と首をかしげていました。

歩いていると伊藤久右衛門の店舗を発見。

ちょっと冷房で涼みたいくらいの陽気で、女子たちが購入したのはいちご乗せの抹茶ムース。しばらく歩くための糖分補給にもなりました。いちごの甘さと抹茶のしっかりした味が合わさって、なかなかいい感じです。宇治といえば宇治茶を体で実感できる一品でした。

途中で源氏物語ミュージアムの前も通りましたが、スタッフたちには縁のない世界。国文学科出身の母が聞いたら喜びそうですが、今回はさらりとスルーです。

たま木亭のパン:レシピ本を持っていても真似できない味

宇治に来たらここ、という奥さん一押しのパン屋「たま木亭」へ。黄檗駅近く、京都大学農学部の横に位置するこのお店、混む日は1〜2時間待ちとも言われていますが、平日だったこともあり30分ほどで入ることができました。

実は、初回の衝撃が凄すぎて、ここのレシピ本『忘れられないパン』を買って持っているのですが、とてもじゃないけど自分で作れる代物ではありません。

特別な粉を使い、発酵にも仕込みにも数日をかける。「手の内を明かしても真似できない」という圧倒的な職人技の結晶です。前回おいしかったパンシューや黒豆のフランスパンをまた購入。その日の昼ごはんから翌朝まで困らないほどの量を買えました。

ちなみにこのエリア、アニメ「響けユーフォニアム」の舞台でもあり、作中に登場するパン屋さんも近くにあります。今回はパスしましたが、ファンの方にはたまらないエリアでしょう。ラッパ吹いてた頃に見たアニメだ。

光明院:オーバーツーリズムの喧騒を離れた静寂の別世界

前回、京都に来られなかったジェラルディンに龍安寺の石庭を見せてあげたかったのですが、北にある龍安寺は宇治からは遠すぎる。そこで代わりに探したのが東福寺の塔頭・光明院です。

これが、今日一番のお寺でした。

静かです。本当に静かです。外国人もちらほらいますが、皆が静寂を愛している人たちだけ。誰も大声で話さない。シンプルな枯山水の庭の前に座ると、思考が停止するのか、それとも別の何かが動き出すのか、不思議な感覚になります。小鳥が鳴いて、花びらが散って。見えない時間が見えるようです。

本来、伏見稲荷だって山全体が御神体です。千本鳥居をくぐりながら、自然の静けさや奥に宿る神聖さを肌で感じる。それが日本人の信仰心の原風景だと思います。自然を愛し、敬い、恐れる感覚。しかしオーバーツーリズムの中ではそれは難しい。光明院では、それができました。本当に良い場所でした。

あ、今回の発見。ヨーロッパでも南部の人は騒がしい。イタリアとフランスのあなたのことですよ。

東福寺もね

時間ギリギリで東福寺にも立ち寄りました。まっすぐに突き抜ける木造の通天橋は見事で、本来は紅葉の時期に一面が赤く染まる絶景スポットとのこと。現代(昭和期)に整備された8つの庭も良かったのですが、個人的には光明院の方が心に響きました。

夕食:アンプリュスで幸せな一日を締めくくる

京都に来るたびに必ず寄りたいと思う洋食屋・アンプリュス。元々万養軒のシェフで、現在の上皇様にもお料理を出されていた方が独立したお店です。フレンチをベースとした本格洋食なのに、驚くほどリーズナブル。SNSもやっていない夫婦二人で営む小さなお店ですが、「本物の味」がここにあります。

帰り際は二人揃って出口まで見送ってくださいました。来るたびに季節の料理が変わり、味も進化している。こんな価格でいいのか、と心配になるほどです。四条大宮エリアに行く際はぜひ。予約必須です。

今日のまとめ

道中での人生初アナグマとの出会い、光明院での静寂体験、たま木亭のパンと夕食のアンプリュス。濃厚な幸せに満ちた一日でした。

京都旅行のヒント
・光明院(東福寺塔頭)は観光客が少なく、静かに日本庭園と向き合える穴場。紅葉・桜の季節以外でも十分おすすめです。
・パン屋のプロもこぞって買いにくるたま木亭は月・火・水が定休日。事前に営業日を確認してから行きましょう。
・アンプリュスは予約なしでは入れないことが多い人気店。京都・大宮エリアへの旅行前に予約を。

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