トイレからキッチンへ

臨時休業中の週末のアニラオ。フィリピン東北の海上にできた台風6号になるかどうかの熱低にひっぱられてか、曇りがちで少し波あり。定員割れのスタッフ数で営業断行していたら、トレーニングやら料理やら、やはりちゃんとできなかった海況だと思いました。

アニラオの午後の海

ようやく体調も戻ってきて本当は運動したいところを我慢して、夫婦で家で静かにしています。静かさの代表といえば読書で、あれこれつまみ読みするのですが、記憶に残ったのが、佐藤大介著『13億人のトイレ 下から見た経済大国インド』

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フィリピンに深く関わるようになった最初(かれこれ27年も前だ!)も、フィリピンでのトイレづくりのワークキャンプだったのですが、流石に2022年現在、フィリピンでトイレがなくて困っているという話はほとんど聞かなくなりました。一方、フィリピンよりずっとずっと大国のインドで、未だにトイレがなくて健康や安全が脅かされている現実があることに、世の中のうまくいかなさを実感したり。

乾式トイレに溜まった汚物を素手で掻き出して捨てに行ったり、詰まった貧弱な下水づまりを防具なしでなおし、時にはマンホールに落下して汚物の中で命を落とす仕事をするダリット(不可触賤民)の人々の世襲・固定化が、ヒンドゥーの文化的価値観に深く根ざしていて、なかなか改善しないという、「文化」が「悪い」方向へ働く際のケースを再認識したり。

大成工業(このTSS無放流処理装置なんて、下水処理施設につながっていないアニラオの全リゾートと住民にとってぴったりなのではと思ったり)やLIXILのSATO(SAfe TOilet)プロジェクトなど、日本の企業の、貧困層にリーチする努力のケースを見て、素晴らしい取り組みだと感心したり。良書でした。

やはり、困った人へのアプローチは心にしみるものがあります。自分の普段のあり方を反省します。

「2週末もリゾートを閉めたら、流石に給料がなくて厳しいので、会社はなにかしてくれるんですか」という、デリカシーも状況もわきまえないバカのような質問をしてくるスタッフでも困っている人の一人でしょうし、お待ちいただいているダイバーの皆さんに早く奉仕したいという気持ちも強いので、8月6日7日に営業できるように準備したいものです。

で、短期的にも中期的にも一番の問題が、キッチン。奥さんへの負担が強すぎるので、私を含む不完全な非シェフクラス数人でも分担しながら食事の準備ができないかと思い、とりあえずメニューを見直すことに。

考えるのと実行するのとでは大きな違いですが、奥さんの負担ゼロを目指して、とりあえず手を動かします。

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