コーディング前にアニラオに向け出発
日本での研修旅行が終わり、久しぶりにアニラオへ戻る日が来ました。
本日は木曜日。マグダレナの車がマニラを走れない日です。フィリピンには「コーディング規制(UVVRP)」と呼ばれる交通量規制があります。ナンバープレートの末尾の数字によって、特定の曜日・時間帯に市内の主要道路を走行できないというルールです。渋滞の激しいマニラならではの制度なのですが、これを避けるために、今日は午前7時より前に出発しました。
アニラオに移動する日の朝食は、大抵高速道路のスタバです。
毎回違ったサンドイッチを食べるようにしているのですが、本日発見したのが「カニ&卵焼きサラダ入りクロワッサン」なる謎メニュー。絶対美味しくないとは思いますが、作った人のチャレンジを礼賛しようと注文。

案の定、二度目はない味でした。というか、挟む役目を引き受けていたクロワッサンが可哀想。カニの風味はほぼ感じられないし、「卵焼き」と名のついたものは、苦い(ここがカニか?)卵の味がするサイコロ型の寒天のような何かでした。日本のスタバに、まさか同じメニューはないですよね?
いずれにせよ、新しい食べ物に挑戦するのは人生の彩りを少し増やすものでもありますので、不思議な食べ物には今後も手を出していきそうです。
そんなクロワッサンの向こう、隣のお客さんのカップにしばし目が釘付けに。

名前がカタカナで「リコ」と書いてあるっぽい。日本のスタバではおなじみですが、フィリピンでもカタカナ表記が始まるほどに日本文化リスペクトなのか?と思いましたが、よく見ると「1/2」のことでした。でも、何が半分だったんですかね? スタバって半分のボリュームを選べるんでしたっけ?
ガソリン価格少し下降
スタバでの朝食前に車にディーゼルを入れました。一時期は1リットル150ペソほどだったのが、この日は127ペソにプチ下がりでちょい嬉しいです。とはいっても1リットル340円超。戦争前の2倍以上の価格はまだキープしています。
ご乱心の米帝トップさんのツケは、まだしばらく庶民が払い続けないといけないみたいです。
アニラオ到着後、まず行ったのはスタッフ全員を集めてのミーティングです。日本から持ち帰ったアイテムを取り付けたり、お土産を配ったりと、久しぶりの顔合わせらしい時間が続きました。

お土産を美味しくいただく中で、マニラダイバーの奥様からいただいたホームメードのバスクチーズケーキが激ウマで、スタッフ全員びっくりでした。

甘さは控えめでしっとりとした質感、チーズの深みが余韻として続きます。スタッフたちの表情が、一口食べるごとに柔らかくなっていくのがわかりました。お手製のバスクチーズケーキ、本当にありがとうございました。スタッフ一同、心から喜んでいます。
日本研修旅行、二人の総括
ジェラルディンとクラリッサに、日本滞在の総括をしてもらいました。


ジェラルディンの日本感想
1. 文化と人々
日本の人々の礼儀正しさ、おもてなしの心、そして誠実さに深く感銘を受けました。「小さな思いやりが、これほど大きな違いを生むのか」と、何度も気づかされました。
特に印象に残っているのは、日本の家庭でいただいた朝食です。フィリピンでは一品で済ませることが多いのに、日本の朝食は品数が多く、栄養バランスが整っていて、しかも丁寧に盛り付けられていました。日常の食卓に込められた手間と心遣いに、本当に驚きました。
2. 労働文化と規律
勤勉さ、責任感、そして時間への真剣な向き合い方を学びました。
印象的だったのは、電車に乗るとき、みんな発車の2分前にはもうホームで待っているということです。フィリピンなら「次の電車でいいか」と流してしまう場面でも、日本では時間を絶対に無駄にしない。この姿勢を、自分の日常にも取り入れたいと強く思いました。
3. 思い出に残る体験
お寺や神社を訪れ、桜を眺めた時間は、一生忘れられない経験になりました。
ただ中に入るだけでなく、入る前にパンフレットや説明をきちんと読んで、その場所の背景を理解してから見学するように心がけました。飾り気のないシンプルさの中に、深い美しさと意味があることを感じました。
4. 挑戦したこと・文化の違い
言葉の壁は確かに大変でした。でも食の面では、とにかく積極的に挑戦しました。
・マヨネーズではなく、だし巻き卵を使った京都スタイルの卵サンドイッチ
・大粒のイチゴや大きなメロンをふんだんに使ったフルーツサンド
・フレンチレストランでの美しい盛り付けと、初めて食べたエスカルゴ
・イクラが乗った明太子スパゲッティや、絶品のマルゲリータピザ
・ホタルイカや牡蠣など、新鮮な海の幸
そして何より気づいたのは、日本料理が「旬」の食材を非常に大切にしているということ。季節のものを季節に味わうという考え方は、フィリピンではあまり意識しないことでした。
5. 日本が教えてくれたこと
規律の大切さと、料理の「見せ方(プレゼンテーション)」の重要性を学びました。
最大の教訓は、料理には「緑・黄・赤」の3色を意識して取り入れることの実演をあちこちで目撃したこと。ニンジン、トマト、赤キャベツなど、色を揃えるだけで食卓がぐっと豊かになります。フィリピンでは一品だけで済ませがちですが、日本では必ず小鉢やサイドメニュー、ピクルスが添えられています。マムユミがキッチンで教えてくれていたことが、日本の食事のあちこちで見られました。この文化の違いは、大きな学びでした。
6. この学びをキッチンに活かす
日本で得たすべての学びを、マグダレナのキッチンで実践していきたいと思います。
朝早くから仕事を始める規律、そして3色を意識した盛り付け。この2つは必ず取り入れます。今回の滞在は旅行ではなく、料理と盛り付けを学ぶための「レッスン」でした。
この旅は、観光以上のものを私に与えてくれました。日本から持ち帰った最大のお土産は、新しい視点と、より良くなろうという意欲です。
クラリッサの日本感想
日本で目にしたもの、口にしたもの、そして人々の姿、すべてが私に深い印象を残しました。
食文化と丁寧な接客
フィリピンにいたら絶対に手を出さないような料理にも、今回は思い切って挑戦しました。生肉や牛の心臓の刺身など、フィリピンでは想像もしなかったものです。でも食べてみると本当に美味しくて、それ以上に感動したのは、食材に対する敬意が料理の準備の一つひとつから伝わってくることでした。
そしてレストランのスタッフの接客に、心から感動しました。お客さんと話すとき、スタッフが膝をついて目線を合わせてくれるんです。それだけで、こちらがどれだけ大切にされているかが伝わってきました。
職人の情熱と技術の継承
あるパン屋さん(宇治のたま木亭)を訪れたとき、シェフが生地をこねるところから仕上げまで、すべての工程に愛情と情熱を注いでいる姿を見ました。しかもそのパンが、手頃な価格で提供されている。質を妥協しないのに、誰でも手が届く――その姿勢に深くインスピレーションを受けました。
さらに驚いたのは、弟子が独立してライバルになることを恐れるどころか、自分の技術が世に広まることを喜んで応援しているということ。自分の仕事に誇りを持っているからこそ、できる姿勢だと思いました。
外見にとらわれない品質の高さ
かっぱ橋の包丁を扱うお店を訪れたとき、正直、最初は戸惑いました。店構えがフィリピンのディビソリア(問屋街)のように雑然としていて、豪華さとは程遠かったからです。でも手に取ってみると、商品の品質が圧倒的。派手な見せ方に頼らず、純粋にモノの良さだけで勝負している――その自信と潔さに、むしろ感銘を受けました。
桜の季節とお花見の文化
桜の美しさは、写真で見るのとは全く別物でした。でも私が一番心を打たれたのは、その景色よりも、桜の木の下で家族や恋人とのんびりピクニックを楽しんでいる人々の姿でした。忙しい日常の中で、大切な人たちとの時間をちゃんと作る――日本人のそういう文化を、本当に素晴らしいと思いました。
厨房のチームワークと清潔さへの誇り
ラーメン店の厨房(南京亭)を見たとき、思わず見入ってしまいました。スタッフ全員の動きに無駄がなく、スピードが圧倒的で、それでいてチームとしての連携が完璧に取れているんです。
調理が終わったフライパンはすぐに洗って、次の注文の準備へ。その効率の高さにも驚きましたが、一番印象的だったのは、お客さんの目の前で堂々と冷蔵庫の掃除をしていたことです。隠すどころか、見せることへの自信――清潔さに対する誇りが、そこに表れていました。
少人数でリゾートを守り続けてくれたスタッフ
ミーティングでは、私たちが日本に滞在していた間の状況報告も受けました。
少ない人数でリゾートを回し続けてくれたスタッフたちの苦労は、報告を聞くだけでも伝わってきます。ゲストを迎えながら、施設を管理しながら、それぞれが役割を超えて動いてくれていた。それが数字ではなく、言葉の端々から感じられました。
自分がいなくても回るリゾートを作る。それがオーナーとしての目標のひとつですが、実際にそれが機能していたことへの安堵と、スタッフへの感謝が重なりました。
明日に備えて、今夜はアニラオへ戻る
今日は1日をミーティングと準備に充てました。明日は朝から買い出しのため、この夜のうちにアニラオへ戻る予定です。

ミーティングや荷解き、再会の会話の中で、じわじわとアニラオに帰ってきた実感が戻ってきました。旅の余韻と、日常への着地が重なる、そんな1日でした。
今日のまとめ
いただいたバスクチーズケーキが絶品で、スタッフたちと笑顔でシェアできて感謝です。久しぶりの再会とお土産タイムが、アニラオ帰還の喜びを倍にしてくれました。
不在中、少人数でリゾートを守り続けてくれたスタッフ全員に、改めて感謝します。
日本研修に連れて行った二人も、2度目だったこともあってか、初回よりさらに深い学びを得たようで良かったです。あとは、その変化を実生活で実行してくれたら望外の喜びですね。
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