バタンガスシティよりタアル

 アニラオ行動日。とある日本の大学からの視察の方、今日が最終日。明日朝がフライトなので、午前までだったらダイビング可能です。終了時にフライトまで21時間あけられます。ということで、アニラオに良い印象を持っていただくべく、本人のご希望もありますし、ダイビングへGO。終わりよければ全てよし。

海から見たアニラオヴィラマグダレナ

 目標の、ウミガメには無事会えました。遭遇率の高いルートで潜るものの、ボートエキジットポイント間近まで出会えず。なんだかこの子、ヴィラマグダレナの前にいた子と似ていますが、こっちに引っ越してきてしまったですかね。

 水中ゴミ拾いをするという案もあったのですが、ここはファンダイブにしておいて正解だったと思います。実際のプログラムでも、オープンウォーターダイバートレーニング終了後、ファンダイブを挟んでからゴミ拾いがよいだろうということに。理由は、1)楽しい記憶も大切。2)少しでも経験をえた方が、安全にゴミ拾いに挑めるため。

 昼食は、フィリピンファストフードの代表にして、ソウルフードのジョリビー。ガイドのロナルドだって、ジョリビーに会えて嬉しいのです。

 日本から来た人が驚くことの一つが、マクドナルドもジョリビーも、ハンバーガーファーストフード店なのに、売れ筋はバーガーではなくて、フライドチキンと米である点。米がハンバーガーのように紙に包まれているのも目新しいはず。

 ロナルドやマービンも、もれなく注文のチキンジョイ(つまり、フライドチキンとご飯)。スパイシーフレーバーを、真似して私も注文してみました。結構スパイシーで美味しいです。オリジナルよりこちらのほうが良いかも。味に加えて、スパイシー味の優れている点は、旗の楊枝がついてくること。奥歯煮物が挟まりやすい中年には、嬉しいのです。

 付属のグレービーソースは、最初からご飯にかけてしまうのが、バタンガス人式だとロナルドが嬉しそうに教えてくれました。

 学生たちが歴史にどれくらい興味があるか未知数ですが、近所の歴史地区、タアルを視察。こういう記念的な写真のとれるロケーション、高評価でした。似たような文字列はアニラオのあるマビニ町にもあって、一昨日その脇を通りましたが、全く気づかれない存在感でしたね。古い教会のもつインパクトは大です。

 タアルには、2015年2018年にも来ています。その時の記事もご参照ください。

 誰が言ったか言わないか、アジアで一番大きなカトリックの教会なんだそう。確かに大きいですが、アジア一というと、「へぇ」といった感想です。お大きな教会ですが、歴史的お飾りではなくて、現役で使われています。今日も駐車場が混んでいると思ったら、2件のお葬式中でした。

 タアルは刺繍が有名だと前々から知っていましたが、ドレス売り場、前より豪勢になっているような気がしました。どんなシーンで、どんな人が着るんでしょうね。アニラオに生活しているとピンとこないです。

 タアルのタパは、牛でなく豚を使うというので、肉屋ではどこもTapang Taalを売り込み中でした。視察の方、「同じ商品ばかり取り扱っていていいんですかね?」。確かにごもっともですが、店ごとに味が違うはずです。タアルのロンガニーサ(Longanisang Taal)も各店舗売っているのですが、見た目の色が違うってことは、味付けもかなり違うことが予想されます。きっと、この店のが好きという地元民に愛されているんでしょう。

 スマンという、もち米を甘く蒸したスイーツもタアルは有名で、奥さんとタアルの市場に来ると、ここのおばさんの店で買うのが定番でした。2016年に来たときには、1個7ペソ。今は10ペソに値上がっていました。いつも買っていたので、深く考えずにスタッフとゲスト用に40個購入。

 この時、まさか後で「葬式か!?」と嫌味を言われるとはつゆ知らず。無垢ってことは、お人好しで罪深くもあるものです。

 スペインからの独立時の英雄を多数生んだこの町、2つの実家を改装した記念館があります。1つ目が、Museo nina Leon at Galicano Apacible。アパシブレ兄弟博物館です。

 入場無料、入るとすぐにビデオを見させられます。タガログ語ナレーションに英語字幕。オデンもロナルドも、アパシブレ兄弟のことは知らなかったようで、勉強になればよかったですが、どうですかね。

 ビデオのあとは、彼らが生活をした家が保存されているので、それを見て回り。とても立派な木材が使われていて、木=裕福というのは、太い材木を使えるのが神社仏閣ぐらいしか現在の日本にはないのと同じですね。贅沢なものです。

 直径1.5メートルのパエリア鍋!と思ったら木製でした。ってことは、なにか料理を乗せる皿なのかもと考えを巡らせているとマービンが、「洗濯桶ですよきっと」とのこと。たしかに、洗濯物を叩く木のヘラが付属しています。というと、この直径の木を輪切りにして整形したってことですかね。あとから考えると、これも普通の小市民の家には存在しないものだったのかもしれません。さすが大地主。

 次に、現在のフィリピン国旗の1枚目を塗ったマルセア・マリーニョが嫁いだ、アゴンシリオ家(Museo nina Marcea Marino at Felipe Agoncillo)へ。

 ここでも入り口を入ったところで、ビデオ視聴。さっきの場所と製作者一緒のようで、絵のテイストが同じでした。統一感があってよろし。

 脇侍のような二人の女性のうちの一人は、独立の英雄として有名なホセ・リサールの姪だそう。アパシブレにしても、アゴンシリオにしても、アジア最古の大学サントトマス大学でホセと学友だった、というか、はやり最高学府には優秀(かつ裕福)な人間が集まるものなのかなと、明治のころの日本の状況に思いを馳せながら見ていました。

 あまり難しくしてもよくないですが、参加する学生たちがどんなことを考える切っ掛けになるのか、すこしイメージできたように思います。

 隣町レメリーのSMへ。先程のタアルだといわゆる日本人の旅慣れていない人がお土産の買い物をするにはハードルが高い(子どもの物乞いもいたし)ので、日本のスーパーに形状が近いSMも見ておこうということで。

 甘いものを食べないのでリサーチが進んでいませんでしたが、このChochoMucho、フィリピン産だそうでムーチョ。種類も抱負だし、味はともかく、お土産候補として良いかも。箱買いできるのも高評価。

 そして、半分押し売りした、フィリピンといえばのバナナケチャップ。デルモンテが出しているのも笑えます。便じゃなくて、パックのもあったので、そちらのほうが割れる心配がなくて安心です。

 で、レジ待ち中に停電。しかも、誰も騒がないありきたりすぎの光景。

 夕食は、タアルの名産が詰め込まれた手づかみスタイルの、Taal Specialties BoodleをDon Juan Boodle Houseで。

 手で食べるのはフィリピンの伝統スタイルでもあるので、街歩きのついでにこういう場所で食事が取れたら、スタディツアー的な催しにはよいでしょうね。もちろん、普通に食べても美味しいです。ただ、男4人には付属の米じゃ物足りなかったです。

 最初に提案したときには、他国の歴史に興味が湧くかね、と疑問でしたが、マニラに寄らないプログラムになるので、フィリピンの社会文化が見られる場所として、このタアル訪問は組み込まれそうです。バタンガスにもSMはありますが、タアルのほうが文化密集度が高いのと、それほど渋滞しないので、こちら推しですね。

 これで視察プログラム終了。明日4時発で空港に向かって日本に帰られます。なんと明日は東京は雪だそう。怒涛の視察ツアー、お疲れさまでした。実現はまだ先ですが、良いプログラムになって学生の役に立てればよいですね。

 ロナルドは、マービンがタアル初めての運転で不安だから一緒に来てもらいたいということだったのと、本日休暇のオデンは、ダイビングの経験を上げるために初ボートダイブ。休みの午後もついてきたいというので、いつかフィリピン人ゲストにタアルを案内するときも来るかもしれないかもということで、同行させました。自分も視察のアテンドということで、ゲストエンターテインと説明に集中していて、リゾートで仕事をしていた女子へのちゃんとしたお土産がなかったことに、へそを曲げる輩がいて、配慮不足ですみませんでした。

 スマンじゃすまん、ってオチか。(°ଳ°)

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