木曜日のアニラオです。天気図を見る限り目立った低気圧は見当たらないのに、なぜか雨が抜けきりませんでした。理由がはっきりしない分、余計に気になります。週末に向けて回復してくれればと思っています。
今日はゲストさんの入れ替え日でした。朝と昼にそれぞれチェックアウトがあり、午後は週末の受け入れ準備を進めながらスタッフミーティングを行いました。
二人揃っての笑顔
ミーティングでいちばん盛り上がったのは、昨日自動車運転免許を取ったケネディの話でした。満面の笑みで報告してくれて、こちらまでうれしくなります。

実は先週、クラリッサだけが先に合格していました。本人は喜びたいはずなのに、隣でこの世の終わりのような表情をしているケネディがいて、素直に喜んでいられない空気になっていたんです。
それが今日は、二人揃っての報告でした。並んだ笑顔を見て、ホッと一息です。
フィリピンでは5,000ペソほど払えば免許を買う方法もあります。それでも二人には、教習所に通い、学科と実技の本試験を受けて、正規のルートで取ってもらいました。多少苦労しながらの合格です。
正規の教育を受け、正規のルートで、少し苦労もしながら合格する。買える便宜をあえて選ばなかったこの経験は、二人にとって残るものが大きいと信じたいです。
本日の水中生物、タテヒダイボウミウシ
週末の準備を進めながら、今日紹介したいアニラオの水中生物はタテヒダイボウミウシでした。
【日本語名】 タテヒダイボウミウシ(縦襞疣海牛)
意味・由来: 背面にうねるような縦方向の襞(ヒダ)があり、その上にイボ状の突起が並んでいる姿が名前の由来です。漢字で書くと「縦襞疣」となり、その見た目をそのまま表したストレートな和名となっています。
【学名】 Phyllidia varicosa
語源・意味: 属名の Phyllidia はギリシャ語の「phyllon(葉)」に由来し、平たい体型を指しているとされます。種小名の varicosa はラテン語で「静脈瘤の、静脈が腫れた」という意味があり、背中にある青灰色の盛り上がったヒダ状の隆起を、腫れた血管に見立てたものです。
【英名】 Varicose wart slug / Varicose phyllidia
意味・由来: 学名の種小名と同じく「静脈瘤のような(Varicose)」、「イボのあるウミウシ(wart slug)」という意味です。学名の直訳に近い形で一般的に呼ばれています。
ウミウシの学名と「怒りマーク」、そしてあの宇宙人との意外な共通点?
ダイビング中、サンゴ礁や岩肌でよく見かける「タテヒダイボウミウシ」。黒の地色に青灰色のヒダが走り、黄色いイボが点在するその姿は、海の中でもひと際目を引きます。
このウミウシ、学名を Phyllidia varicosa(フィリディア・ヴァリコーサ) といいます。
この種小名である「varicosa」、ラテン語で「静脈瘤の」「静脈が腫れ上がった」という意味を持っています。背中にある青灰色のボコボコとした縦の隆起を、皮膚の下で腫れ上がった血管(静脈)に見立てて名付けられたわけです。
「静脈が腫れ上がって浮き出る」といえば……そう、漫画などで激怒した時によく描かれるこめかみの怒りマーク(💢)ですね! あのマークは、血圧の急上昇によってこめかみの浅い部分を走る「浅側頭静脈(せんそくとうじょうみゃく)」がボコッと浮き出る生理現象、いわゆる「青筋を立てる」状態をデフォルメしたものです。タテヒダイボウミウシの背中を見て「まるで青筋を立てているみたいだ」と捉えた昔の学者のネーミングセンスには、思わずニヤリとしてしまいます。
そして、「頭にびっしりと青筋を立てている」と聞いて、個人的にどうしても触れずにはいられないのが、『ドラゴンボール』のギニュー特戦隊を率いるギニュー隊長です。

紫色の頭部に、ボコボコと太い血管(青筋)を不気味に浮き上がらせたあの印象に残るビジュアル。36年前にお目にかかった顔が、青筋で思い出されるなんて、鳥山明の刷り込みは恐ろしいですね。
次に海の中でタテヒダイボウミウシを見つけた時は、怒りの青筋マークとともに、「チェンジ!」でお馴染みのあの隊長の姿を、ぜひ水中で思い出してみてください。
それから、このウミウシの、ギニュー隊長的ボコボコ表皮にはさらなる機能、強烈な「毒」を秘めています。大好物のカイメンを食べることで毒を体内にため込み、危険を感じるとミルクのような有毒の粘液を分泌して身を守ります。この毒は非常に強力で、狭い水槽で分泌されると一緒にいる魚が死んでしまうほど。
ギニュー隊長は牛乳からのネーミングだということを考えると、このウミウシが、毒能力をもったギニュー隊長に見えてきたりこなかったり?
人間が触る程度では、実害はないでしょうが、あえて触って毒ミルクを舐めてみる、なんてことはしないようにしてくださいね。
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