2025年3月14日のホワイトデーに思い立った、マグダレナのハウスリーフでニモ(カクレクマノミ)のハッチアウトが観察できたら素敵じゃないかプロジェクト。
これまで65日間の観察をしてきました。主に観察と記録をしてくれたクラリッサ、お疲れさまです。
65日間のカクレクマノミの卵観察でわかったこと
ここまでわかったことは、以下の通り。
産み付けて6日から8日日目の夜が明けるとハッチアウトしている。
水温27〜28度の環境下では8日目の夜に孵化している。もしくは、万が一の可能性で、翌日早朝(世の中の定説とは異なりますが、自然環境下でのハッチアウトの目撃例はないので、水槽内での事例が日没後孵化の根拠になっている)。
29度台で7日目にハッチアウト。
30度を超えていると、6日目にハッチアウト。
31度以降のときは5日になるのかは不明。ハッチアウト直前の画像で判断すべき。
日没後2時間ではハッチしない。
個体の熟成が進んでいないと卵を一切産まないコロニーもある。
卵が生き残りやすさは、産み付ける場所をイソギンチャクがどの程度覆っているかに大きく左右される。
毎回同じ場所に卵を産み付けるとは限らず、特に全滅したことがある場合は、別の場所に産み付けるケースもある。
6月に入り雨季になって、西風のため毎日の観察は難しくなってきたので、海況が安定するまで、積極的な観察ができなくなるので、ここで一旦途中経過をまとめておきたいと思います。
結構貴重?カクレクマノミの卵産み付けてからの毎日の変化画像
まずは、卵の発達について。日ごとにまとめてみました。
1日目 全体がきれいなオレンジ。胚は小さな点。












2日目 胚の部分に体組織がみとめられるものも。











3日目 発育の早いところでは目ができる。













4日目 目がかなりはっきりしてくる。











5日目 4日目とのパッと見での差異を見つけるのが難しい。少し黄身が小さくなる。












6日目 高水温下ではハッチアウトも。ハッチアウトの写真はピンク枠つき。










7日目










8日目






孵化直前の卵の様子。これを探せ!
ここからハッチアウト直前の卵だけをを抜き出すと以下のようになります。この状態になったら、熟れ頃ってことです。後は、時間さえわかればっ。












水温ごとのカクレクマノミの胚の発達状況
ついでに、水温ごとの卵の発達状況はこんな感じ。
27度〜28度 8日で孵化 4月8日〜15日








29度 7日で孵化 4月25日〜5月1日







30度 6日で孵化 5月26日〜31日






これから観察が毎日でなくてまばらになりますが、各日の発達状況と本日の卵の状況を比較すれば、今が何日目なのかがわかるはず。
画像から何日目なのか判断するカスタムAIを作ってみたいですね。
夢は孵化時刻の特定
今後の研究の最優先課題は、なにしろ
・ハッチアウトの時間的タイミングの特定 です。
日没後2時間以内に孵化しないので、「いつ」なのかをどうにかして知りたいです。
雨季でしばらく研究スピードは落ちますが、諦めることなく今後の孵化の瞬間の特定と、ゲストさんにお見せできるその日まで、諦めない決意の途中報告でした。
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